AEDの使用で心停止患者の1ヶ月後の社会復帰率が2倍以上に

AED(自動体外式除細動器)とは、心臓が細かく震えることで血液を全身に送り出せなくなる「心室細動」を起こしている時に、電気ショックを与えて心室細動を止めて心臓のリズムを正常に戻すための救命機器です。

我が国では、2004年より医療従事者以外でも使用できるようになり、これまでに全国で約50万台が公共施設などに設置されてきました。最近では街中でよく見かけるようになりましたが、実は、このAEDの普及による具体的な効果はよくわかっていませんでした。

世界初!一般市民が使用するAEDの効果を国レベルで調査

そして今回、京都大や大阪大の共同研究チームの調査により、このAEDを使った措置を受けた場合、心停止した人が約1ヶ月後に回復して社会復帰できる割合が、AEDを使わなかった場合に比べて2倍以上高いことが分かりました。

街中に設置されているAEDを、一般市民が使用することによる有効性を、国レベルで調査し、実証したのは世界で初めてのことなのだとか。

研究チームは、2005~2013年の9年間に、全国で救急搬送された心室細動患者に関する消防庁の統計データを基に、一般市民によるAEDの使用状況と、1ヶ月後の患者の状態を元に、社会復帰するまで回復した患者の割合を調べました。

その結果、一般市民によりAEDが使用された患者のうち、社会復帰できた割合は 38.5%だったのに対して、AEDが使用されなかった患者で社会復帰を果たせたのは 18.2%にとどまり、実に2倍以上の差があることがわかったのです。

設置台数の増加の割に増えていないAED使用率

公共の場などに設置されたAEDの台数は、調査が始まった2005年の約1万台から、2013年には約42万台に増えています。それに伴って、一般市民によるAEDの措置を受けた患者の割合も 1.1%から 16.5%に増えてはいるものの、設置台数の増加の割には増えていないことがわかります。

今回の研究によって、AEDの普及が心停止を経験した人の社会復帰に有効であることがわかったわけですが、同時に、一般市民にとっては、まだまだAEDを使うことに対する心理的な障壁が高いことも示していると言えますね。

AEDの使用をためらわないために知っておくべきこと

ちなみにAEDは、単に電気ショックを与えるだけの機械ではありません。その患者に電気ショックが必要であるか否かを瞬時に判断する機能があるので、電気ショックが必要のない人に作動することは決してありません

その使い方も音声ガイドに従うだけで、一切迷うこともありませんので、もしも万が一のシーンに遭遇した場合は、AEDの使用を躊躇しないようにしましょう。

心室細動が起きた場合、1分経過するごとに救命率が約10%低下すると言われています。

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category : 救急医療

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