遺伝性アルツハイマー病は発達障害?脳の変化を幼少期に確認

認知症の半数以上を占めるとも言われているアルツハイマー病は、長い年月をかけて脳内に特定のタンパク質が蓄積することにより発症すると考えられてきました。

そこで、脳内に蓄積する特定のタンパク質、すなわちタウ蛋白やアミロイドβを標的とした治療薬の開発が世界的に進められきましたが、いまだ有効な治療薬の開発には至っておらず、最近では、このアルツハイマー病は幼少期より始まる発達障害であるとする新説も唱えられています。

そして今回、米ハワイ大学の研究チームにより、この仮説を裏付けるような研究成果が発表されました。

アルツハイマー病に関連する脳の変化は既に幼少期に…

研究チームは、3~20歳の健常者1,187人を対象に、脳画像と認知機能テストを実施し、同時に、アルツハイマー病の発症リスクに関連する遺伝子” アポリポタンパクE(アポE) ”の変異を調べました。

分析の結果、アルツハイマー病の発症リスク増大に最も関係があるとされる「アポE4(※)」と呼ばれる遺伝子を、少なくとも1つ持っている人の一部に、脳の記憶をつかさどる領域である海馬の大きさが、他の被験者に比べてかなり小さい人がいることを突き止めたのです。

また、そんな脳画像の結果だけでなく、認知機能テストの結果を分析したところ、特定の記憶テストにおいて、海馬が小さい人の成績が最も悪く、特に「アポE4」遺伝子を2個持っている人の成績が悪かったこともわかりました。

アルツハイマー病に関連する脳の変化が、遺伝的リスクの高い人においては、早ければ幼少期にすでに確認できることを示した今回の研究成果は、アルツハイマー病が発達に関する病気であるとする仮説を、大々的に拡大したものであると言えます。

(※)「アポE4」多型の遺伝子は、先日、国立長寿医療研究センターなどにより発表された「認知症の発症に強く関わる8つの危険要因」の筆頭に挙げられています。

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category : 認知症・アルツハイマー病

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