アルツハイマー病で失った記憶を呼び起こすマウス実験に成功

我が国の認知症患者は、10年後の2025年には700万人を超えるとも言われていますが、認知症全体の4~6割を占めるとも言われているアルツハイマー病に関する最新の報告がありました。

今回、理化学研究所の研究チームは、遺伝子操作によってアルツハイマー病を発症させたマウスを使った実験で、思い出せなくなった記憶を呼び起こすことに成功したのです。その具体的な実験内容は次の通り。

研究チームは正常なマウスとアルツハイマー病のマウスを飼育箱に入れ、それぞれ脚に弱い電流を流して、不快な体験として記憶させた。その後、箱から出し、24時間後、箱に戻した。正常なマウスは不快な体験を思い出しておびえたが、アルツハイマー病のマウスは変化を見せなかった。

そこで、脚に電流が流れた時の記憶を担っているとみられた脳細胞を刺激すると正常なマウスと同じようにおびえるようになった。

さらに、アルツハイマー病を発症したマウスでは、記憶に関わる神経細胞間で信号を受け渡しする部分が衰えていることも判明したのだとか。

物忘れなどから始まり、進行するに従って次第に認知機能全般が衰えてゆくアルツハイマー病は、記憶自体が作られなくなるのではなく、記憶を思い出す機能が働かなくなる病気であり、治療によって思い出せなくなった記憶を、再び呼び起こすことができる可能性が示されたわけです。

現時点では根本的な治療法のないアルツハイマー病ですが、今回の研究成果が新たな治療法や予防法の開発につながる可能性に期待が集まっています。

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category : 認知症・アルツハイマー病

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