歩行速度が遅い人ほど脳のアミロイドβ蓄積量が多い傾向

10年後には我が国の認知症患者は、65歳以上の高齢者の5人に1人に当たる700万人にも達するとされています。

そんな認知症の4~6割をも占めると言われているアルツハイマー病は、これまでアミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積することにより発症すると考えられてきましたが、最近の研究では否定的な意見が強いようです。

とは言え、このアミロイドβと呼ばれる異常なタンパク質が、アルツハイマー病患者の脳内に多く見られることは事実であり、当然、アルツハイマー病発症との関連性が否定されたわけではありません。

また、アルツハイマー病患者だけでなく、その前の段階である軽度認知障害(MCI)の状態にある人は歩く速度が遅くなること、また、健康な人で歩く速度が遅くなると、その数年後に軽度認知障害を発症することなどが、これまでの研究により指摘されていました。

アミロイドβの蓄積と歩行速度に関連性

そして今回、フランスの研究施設「トゥールーズ神経変性疾患COE」の研究チームにより、認知症リスクの高い高齢者128人を対象に、脳内のアミロイドβの状態と歩く速度との関連が調べられました。

その結果、歩く速度が遅い人ほど、脳内のアミロイドβの蓄積量が多く、特に、脳の運動機能に関連する領域に多く蓄積していたことが判明したのです。つまり、アルツハイマー病患者の脳で多く見られるアミロイドβと、歩く速度との間に顕著な関連性が確認されたわけです。

但し、現段階では、アミロイドβが増えると歩く速度が遅くなるのか、あるいは、アミロイドβと歩行速度低下の両方に関連するなんらかの要因が存在するのかについては不明ですが、少なくともご自身やご家族に、歩行速度の顕著な低下が見られる場合は、アルツハイマー病に対する注意が必要だと言えますね。

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category : 認知症・アルツハイマー病

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