ウイルスで食道がんを狙い撃ち!テロメライシンの驚きの臨床結果が明らかに

手術や抗がん剤治療が行えない食道がん患者を対象とする、ある国産の抗がんウイルス製剤の臨床研究で、被験者7人のうち5人で、腫瘍が小さくなったり消失するなどの注目すべき結果が得られたことがわかりました。

この研究成果をまとめたのは、岡山大学の藤原俊義教授らの研究チームで、国産の抗がんウイルス製剤とは、同大が開発した「テロメライシン」です。

国産の抗がんウイルス製剤「テロメライシン」とは?

「テロメライシン」は、風邪ウイルスの一種であるアデノウイルスを、がん細胞で活性化するよう遺伝子操作して開発した抗がんウイルス製剤で、がん細胞に感染すると一日で10万~100万倍に増殖し、がん細胞を破壊します。

このウイルスは正常な細胞にも感染しますが、正常細胞では活性化せず、増殖しないために正常細胞に及ぼす損傷は少なく、臨床研究で確認された主な副作用も、発熱や食道炎など軽い症状にとどまったようです。

つまり、この「テロメライシン」は、がん細胞だけを狙い撃ちして破壊するウイルス製剤だと言えます。

放射線治療との併用で相乗効果も

さらに、このウイルス製剤には、感染したがん細胞の放射線に対する感受性を格段に増強する・・・つまり、放射線治療の効果を底上げする効果も確認されており、このウイルス製剤による治療と放射線治療を併用することで、治療効果を顕著に高めることができると言います。

特に、高齢や合併症などの理由で、標準的な手術や抗がん剤治療が受けられない食道がん患者にとって、安全で効果的な治療法となる可能性に期待が集まっています。

2020年頃の薬事承認へ

研究チームは、2020年頃の薬事承認を目指して、年内にも臨床試験の計画を独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に提出したい考えを示しています。

今回の臨床研究では、投与された「テロメライシン」は低容量でしたが、今後5年間で12人の患者に対して、ウイルスの量を中容量から高容量へと増やしていき、その有効性を検証する予定なのだとか。

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category : がん治療・がん研究全般

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