高血圧と脂質異常症の合併、薬を忘れると脳卒中リスク7倍に

厚生労働省が3年ごとに実施している推計患者数調査によると、2014年の時点で、高血圧の継続的な治療を受けていると推測される患者数は 1,010万8千人、一方、脂質異常症のそれは206万2千人に上るとの結果が出ています。

【参考】 平成26年(2014)患者調査の概況|厚生労働省

高血圧も脂質異常症も、今や日本人の国民病とも言われるほど多くの患者がおり、当然、両方の疾患を有している人も少なくありません。

今回、脂質異常症の中でも悪玉コレステロール(LDLコレステロール)値が高過ぎる高コレステロール血症と高血圧を併発し、日々、コレステロール降下薬と降圧薬を服用されている方にとって注目すべき報告がありました。

薬の飲み忘れで脳卒中リスクが跳ね上がる

フィンランドで実施された5万8千人以上の患者を対象にした大規模調査のデータを分析したところ、高血圧と高コレステロール血症を併発している患者が、コレステロール降下薬であるスタチンと降圧薬を、医師の指示通りに服用しない場合、致命的な脳卒中を発症するリスクが約7倍に跳ね上がることがわかったのです。

また、両方の治療薬をきちんと服用している人に比べて、スタチンしか服用していない人が脳卒中を発症して死亡するリスクは約 1.3倍に、逆に降圧薬しか服用していない場合の同リスクは約 1.8倍にも及んでいたのだとか。

薬の飲み忘れの原因は?

実際、同調査において薬の処方記録に基づいて、患者が医師の指示通りに薬剤を服用していたかを調べたところ、特にスタチンを処方された通りに服用していた患者は全体の約6割にとどまっていたとの結果も出ています。

この点について専門家らは、医師が薬の役割や処方通りに服用する必要性について適切に説明していないと指摘。また、1日に服用すべき薬の数が増えるほど、飲み忘れる確率も増えるだけでなく、それ以外にも、薬の数が増えることで薬の費用面も問題となり、患者が自分の判断で服用量を減らす傾向も見られるのだとか。

薬の飲み忘れによる脳卒中リスクを再認識

確かに、血圧という目で見える具体的な数値として、薬剤の効果を実感できる降圧薬に対して、特に、スタチンなどの高コレステロール降下薬の場合は、その効果を日々実感することは難しいと言えます。

しかし、これらの薬剤は医師の指示通りに服用しなければ、本来の効果は得られず、脳卒中のリスクが実は患者が考えている以上に高まることを、今回の研究結果はあらためて再認識させてくれたのではないでしょうか。

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category : 脳卒中

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