微小ナノ粒子で動脈内のコレステロールを除去する実験的治療法が開発中

先日は、抗がん剤を微小ナノ微粒子を使って、がん細胞まで効率良く届けることに成功したという研究成果をとりあげたところですが、今回は、同様の微小ナノ粒子を使った動脈硬化に対する実験的治療法の開発についての報告をご紹介します。

微小ナノ粒子で動脈硬化を効率的に治療

今回、アメリカのコロンビア大学などからなる研究チームは、まるで超小型無人機のように動作する微小ナノ粒子に抗炎症薬を組み込み、それを動脈内に蓄積したコレステロールなどによってできたコブ(プラーク)まで運ばせ、標的とする部位上で治療薬を放出することにより、効率的にコレステロールを除去し、プラークを治療するという実験的治療法の開発に成功しました。

研究チームは、進行性の動脈硬化が起きるアテローム性動脈硬化症を発症したマウスを2グループに分け、一方のグループに5週間にわたる治療を施して、未治療グループとの比較を行った。論文によると、標的型ナノ粒子を投与されたグループでは「動脈への損傷が著しく修復され、プラークは安定化した」とされる。

但し、上記の引用からも明らかなように、これはまだ心臓発作を起こさないマウスに対する実験での研究成果ですので、この治療法がヒトに対してどの程度有効であるかについては、ヒトに対する臨床試験の結果を待たなければなりません。

しかし、この治療法が確立すれば、現在の主要な先進国における死因の上位を占める心血管疾患の直接的な引き金ともなっている、動脈硬化症(アテローム性動脈硬化症 ※ )の新しい治療法の開発に繋がると大いに期待されています。

アテローム性動脈硬化症とは
動脈硬化を大別すると、比較的太い動脈に起こるアテローム性動脈硬化(粥状【じゅくじょう】動脈硬化)と、細い動脈に起こる細動脈硬化がありますが、後者の細動脈硬化は高血圧を原因として、脳や腎臓の細い血管で起こる病気で、一般的に動脈硬化と言えば、前者の”アテローム性動脈硬化”を指します

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category : 動脈硬化

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