アトピー性皮膚炎の発症メカニズムを解明!ワセリンで予防も

遺伝的に皮膚のバリア機能が低下している人がアトピー性皮膚炎を発症しやすいことは知られていましたが、これまでの研究では、その具体的なメカニズムについてはよくわかっていませんでした。

今回、理化学研究所はや京都大などの研究チームは、マウスを使った実験によりアトピー性皮膚炎の原因遺伝子を突き止め、その発症メカニズムの一端を解明することに成功しました。

研究チームは、アトピー性皮膚炎を自然発症するマウスを開発し、このマウスの遺伝子変異を調べたところ、「JAK1」と呼ばれるタンパク質の遺伝子の一部が変化し、異常に活性化していることを発見しました。

さらに、この「JAK1」の遺伝子異常は、皮膚の角質に働きかける酵素「プロテアーゼ」を活性化することが判明。プロテアーゼが活性化すると角質がはがれやすくなり、皮膚のバリア機能が低下します。その結果として、アトピー性皮膚炎が誘発されるという発症メカニズムの一端が明らかになったわけです。

JAK1阻害薬やワセリン塗布で発症遅延や予防効果を確認

そこで研究チームは、このマウスの表皮に「JAK1」の働きを阻害する薬剤を塗ったところ、アトピー性皮膚炎の発症を遅らせることができることを確認しました。

また、アトピー発症4週間前から、皮膚の保湿効果を高めるワセリンを1日おきに塗布した結果、2ヶ月以上に渡ってアトピー性皮膚炎の発症を予防できることがわかったのです。

つまり、遺伝的にアトピー性皮膚炎を発症する素因を有する場合でも、発症前に皮膚バリアの破壊を防ぎ、皮膚の保湿効果を高めることで、アトピー性皮膚炎の発症を予防しうる可能性が示されたわけです。

現時点では、あくまでマウス実験レベルの研究成果ではありますが、研究チームが人間のアトピー患者の皮膚も調査したところ、6人の患者のうち4人の患者で同様の遺伝子異常が確認されたのだとか。

今後も、今回開発されたアトピー性皮膚炎モデルマウスを用いた研究をさらに進めることにより、これまでとは異なる新たな治療法や予防法の確立に繋がると期待されています。

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category : アトピー性皮膚炎

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