マンモグラフィーに超音波検査併用で乳がん早期発見率1.5倍

現在、日本では乳房をエックス線で撮影するマンモグラフィー検査を、40歳以上の女性に対して、2年に1回受けることが推奨されています。

これは、乳がんが日本人女性に最も多いがんで、特に40~50代に発症者が多いことを考慮した上での方針のようですが、実は、若い女性に多い乳腺密度が高い乳房では、マンモグラフィーの有効性は、50代以上に比べると十分とは言えないという状況もあるようです。

実際、アメリカではマンモグラフィーの定期検診を巡って議論が続いており、専門委員会が「40代にはマンモグラフィー検査を推奨しない」との報告書を公表しています。またつい先日も、米国がん協会がマンモグラフィー検診の推奨年齢を40歳から45歳に引き上げる指針を発表し、話題になったところでした。

超音波による乳がん検診では世界最大規模の調査

そんな中、東北大の研究グループが、40代の女性 約7万6千人を対象とした、乳がん検診の大規模臨床試験において、マンモグラフィー検査に超音波検査(エコー検査)を併用したところ、乳がん診断の感度が顕著に上昇し、乳がん発見率が約 1.5倍高くなったことを明らかにしました。その具体的な調査結果は次の通り。

併用群では乳がん診断の感度は91.1%(95%CI 87.2~95.0)と対照群の77.0%(同 70.3~83.7)よりも有意に高かった(P=0.0004)。

乳がん発見数(発見率)でも併用群が184(0.50%)と対照群の117(0.32%)に比べて有意に高値だった(P=0.0003)。

また、発見された乳がんの数をステージ別に分析した場合、併用群と対象群(マンモグラフィー検査のみ)との間で、ステージⅡとステージⅢ以上では差が見られなかったものの、ステージ0とステージⅠで併用群が顕著に多く、マンモグラフィーと超音波検査の併用が、特に早期の乳がん発見に寄与していることがわかりました。

但し、マンモグラフィーと超音波検査の併用は、その一方で精密検査が必要とされた人の割合を増やし、最終的にはがんではなかった人に対して乳房に針を刺して組織を調べるなどの不利益も増すことになったことも付け加えておく必要がありそうです。

いずれにしても、マンモグラフィー検査と超音波検査の併用による有効性を示すには、実際に乳がんの死亡率を減らせるかどうかの検証が必要です。今後、さらなる追跡調査が実施され、実際の死亡率減少効果について報告されるのは2027年度頃になる見通しです。

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category : 乳がん

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