あの線虫を利用した高精度がん検査法「N-NOSE」、2020年にも実用化へ

2015年3月、がん細胞が分泌する特有の臭いに集まるという線虫の習性を利用した、高精度ながん診断技術が大きな話題になりました。

当時、このサイトでも取り上げており、その中で今後の展望について、以下のような記載をしていました。

研究チームによると、実用化までにはまだ10年程度必要とのことですが、この技術が実用化されれば、尿1滴でさまざまな種類の早期がんを数百円程度の検査費用で、かつ高精度で検出することが可能になります。

ところが今回、この診断技術の生みの親である九州大の広津崇亮助氏が社長をつとめる、九州大発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」と日立製作所が共同研究開発契約を結ぶこととなり、当初想定していたよりもかなり早く実用化される可能性が出てきました。

「HIROTSUバイオサイエンス」は、この線虫を利用するがん検査法を「N-NOSE(エヌノーズ)」と名付け、日立製作所との共同で自動解析装置による検査の自動化に関する研究を進め、2020年までの実用化を目指します。

現在のがん検診では、対象となる部位ごとにエコーやMRIなどの精密検査を実施する必要があるため、どうしても検査費用が高くなること、また早期がんの発見は容易ではいことなどの要因もあいまって、我が国のがん検診の受診率は先進諸国に比べると低い水準にとどまっています。

この線虫を利用するがん検査法「N-NOSE(エヌノーズ)」によれば、画像診断では判別しにくい消化器がんを検出でき、早期がんから分泌されるごくわずかな物質を感知することができるため、腫瘍マーカーでは検知が難しいステージ0~1の早期がんを発見することも可能になるのだとか。

現時点で「N-NOSE」は、まだ人の手によって検査を実施しているため、1人の検査員が1日に検査可能な人数は3~5人程度ですが、日立が開発を進めている多数の線虫が集まると明るく見えることを利用した解析装置による自動化が実現すれば、より多くの人が検査を受けられるようになると期待されています。

研究チームによると、「N-NOSE」は2019年10月の完成を目指し、保険が適用されない自由診療での実用化を目指しています。

線虫は飼育しやすく費用も安く済むこと、さらに検査の自動化が実現することで、自由診療とは言っても、検査の受診者が支払う検査費用は1回数千円程度に抑えられるそうです。

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category : がん治療・がん研究全般

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