近赤外線でがんを破壊!”光線免疫療法”の治験が夏にも開始

2011年にアメリカの研究チームにより報告された、患者への負担の少ない新しいがんの治療法である”光線免疫療法”。マウス実験において8割のがん完治が確認されたというこの新治療法は、2012年のオバマ大統領の一般教科書演説でも取り上げられるほど、大きな期待を集めていました。

新しいがん治療法”光線免疫療法”とは?

”光線免疫療法”をごく簡単に説明すると、まず、特定の波長の近赤外線を受けると熱を発する特殊な化学物質を、特定のがん細胞に結びつくタンパク質に結合させた薬をあらかじめ患者に注射しておきます。

その上で、体の外から近赤外線を当てることにより、がん細胞のみを狙い撃ち破壊するというもの。近赤外線自体は人体には無害なので、患者への負担の少ない、効率的な治療法となりえる新しいがん治療法です。

今回、この”光線免疫療法”のがん患者を対象とした臨床試験(治験)が、遂にこの夏にも米国などでスタートすることが決まったようです。

臨床試験の対象となる患者は、手術や放射線治療、抗がん剤などの治療法で治らなかった舌がんや咽頭がんなどの患者で、今月からアメリカのミネソタ大やオランダのフローニンゲン大で患者の募集が開始されるとのこと。実施される臨床試験の具体的な概要は次の通り。

治験ではまず、患者7~9人に化学反応を起こす物質を付けた抗体を注射し、安全性を確認する。次に、注射後の患者15~24人を対象に、患部に近赤外光を照射する。3カ月かけてがんの大きさの変化や副作用、当てる光の量による効果の違いなどを調べる。

研究チームは、この臨床試験で”光線免疫療法”の安全性や効果などを検証し、3~4年後には新しいがん治療薬としてアメリカでの承認を目指すとの見通しを示されています。

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category : がん治療・がん研究全般

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