高齢者の外来患者のうち11%に潜在性心不全が認められる

近年、高齢者の慢性心不全患者は増加傾向にあり、より早期に診断し治療を開始することが重要となっています。

ところが実際の地域医療の現場においては、安静時には心不全症状が見られないものの、労作などの負荷がかかった時に心不全症状が顕れる ”潜在性心不全患者” がどの程度存在しているかについては明かになっていませんでした。

外来患者に心不全スクリーニングを実施

今回、高知大学の研究チームにより、四万十市国保西土佐診療所に通院中の外来患者のうち、心不全入院歴のある患者などを除いた393人を対象として、心不全スクリーニングを実施したところ、約 11%に当たる43人に潜在性心不全が認められたことが明らかになりました。

今回のスクリーニングの対象となったのは、平均年齢が75歳の外来患者ですが、スクリーニングの結果、潜在性心不が認められた患者には、年齢が有意に高いこと、男性の割合が多いこと、脳卒中の既往や認知症の発症も有意に多いことなどの特徴が見られたようです。

NT-proBNPによる心不全スクリーニング検査の有用性も明らかに

また、潜在性心不全が認められた43人の患者のうち、追って心エコー検査を実施できたのは39人で、そのうち4人に左室収縮能低下、2人に肥大型心筋症、1人に弁膜症が認められました。

さらに残りの32人中、27人は拡張障害に伴う心不全と診断されたことから、最終的には心エコー検査を実施できた患者の約 89%が心不全であると診断されたのです。

今回の心不全スクリーニングに用いられたのは、”NT-proBNP”(N端末プロB型ナトリウム利尿ペプチド)と呼ばれる心筋バイオマーカーの一つですが、今回の研究成果は、”NT-proBNP”による心不全スクリーニング検査が潜在性心不全の同定に有用であることも示していると言えます。

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category : トピックス

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