白内障手術が運動機能を改善し、睡眠の質を高める可能性

白内障による視覚障害が認知機能の低下をもたらす可能性が指摘される中、白内障手術によって高齢者の認知機能の低下を抑制しうる可能性を示した研究成果を、以前に取り上げたことがあります。

軽度認知機能の低下は白内障手術で抑制可能!改善効果も

白内障手術の効果について考えた時、高齢者の視力を取り戻し、認知機能の低下を抑制するだけでも十分に素晴らしいと言えるのですが、実は、それだけではなく、運動機能を改善し、さらに睡眠の質を高める効果まで期待できる可能性が、今回新たに示されました。

慶應義塾大学眼科学准教授の綾木雅彦氏は、白内障患者200例以上を対象として、白内障手術前と術後2ヶ月の歩行速度を調べたところ、大半の患者で術後に歩行速度がアップし、平均速度も術前に比べて2ヶ月後、さらに7ヶ月後において有意に増加していることを確認したのだとか。

また、白内障になると水晶体の濁りによって、網膜に到達するブルーライトが減少するのですが、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌に影響を与えるブルーライトが一日を通して減少してしまうことで、概日リズムが乱れやすくなり、それが睡眠障害の原因となる可能性があると考えられています。

そこで同氏らは、白内障手術前後の睡眠の質を評価したところ、術前に睡眠の質が低かったグループで有意な改善効果が認められたのだとか。

睡眠の質の悪化は、高血圧や糖尿病、肥満などの様々な生活習慣病の原因となるだけでなく、認知機能の低下にも繋がるとされています。前述した白内障手術の認知機能低下抑制効果は、もしかするとこの睡眠の質の改善効果に由来している部分があるのかも知れませんね。

白内障手術の目的は、あくまで視機能の回復がメインではありますが、白内障手術には、認知機能の低下の抑制や運動機能の改善、さらに睡眠の質を高めるといった副次的な効果が期待できる点を考慮して、それらが必要な人にはより積極的に適用されるべきだと言えます。

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category : 白内障

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