「高カカオのチョコレートで脳が若返る」は科学的な裏付け不十分

カカオ成分の多いチョコレートを食べると脳が若返る可能性がある

これは2017年1月に発表され話題になった、内閣府の研究チームと明治製菓による研究成果ですが、今回、この報告について、裏付けとなる科学的なデータが不十分だったことがわかりました。

この研究は、45~68歳の成人男女30人を対象に、カカオ成分70%以上のチョコレートを4週間摂取させ、その後の大脳皮質の量と神経線維の質を評価したものです。

その具体的な研究結果は次の通り。

高カカオチョコレート摂取前後での介入効果の検定としてGM-BHQ(Gray Matter-BHQ・大脳皮質の量)を測定したところ、摂取前に比べて、摂取後の方が有意にGM-BHQの値が増加しました。

高カカオチョコレート摂取前の平均値が94.7ポイントでしたが、4週間摂取後には95.8ポイントに増加しました。(平均で1.1ポイントの増加。)

研究チームは、この結果をもって、高カカオチョコレートに大脳皮質の量を増やし、学習機能を高める可能性があると結論づけたわけですが、大脳皮質の増加が学習機能を高めるという前提自体が、まだヒトによる研究では未確認で、あくまで仮説の段階に過ぎないこと。

さらに、今回の研究で確認された大脳皮質の増加に関しても、高カカオチョコレートを食べた30人のデータのみを調べた結果であり、チョコレートを食べなかった比較対象群を設定していなかった点など、裏づけが不十分との指摘が相次いでいました。

この研究の統括責任者は、報告の中の「チョコレートで脳が若返る可能性がある」という表記に関して、「行き過ぎた表現だった」と認めた上で、今回の報告は中間発表の位置づけであったこと、さらに、今後の大規模かつ長期的な実証研究を重ねることにより、確証の高いデータが得られるであろうとの自信も覗かせています。

今回は、勇み足を踏んでしまった形ですが、もちろんこれをもってチョコレートの効果が否定されたわけではありません。実際、チョコレートに期待される健脳効果については、これまでにも様々な報告が寄せられており、当サイトでも以前に下記のトピックスを取り上げています。

チョコレートを食べるだけで認知症予防!海馬内の”BDNF”増加を確認

チョコレートを摂取するだけで、脳の神経細胞の発生や成長、維持や再生などを促進するタンパク質の一種” BDNF ”を増やすことができることを、初めて確認したという研究成果です。

特に最近では、カカオ成分の含有量とチョコレートの美味しさを天秤にかけて、消費者が自由に選べるよう、パーセント表示で段階的にラインナップしている商品も豊富になってきました。もちろん私はこれからも、チョコレート習慣を続けていくつもりです。

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category : 認知症・アルツハイマー病

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