慢性心不全患者のがん発症リスク1.7倍!心不全予防ががん予防に

心臓のポンプ機能が低下して、全身の血流が滞ることにより起こる体の状態を” 心不全 ”と言いますが、症状の程度を問わず、この状態がほぼ一定して続いている場合が” 慢性心不全 ”です。

今回、国立循環器病研究センターの研究チームにより、この” 慢性心不全 ”の患者はがんを発症するリスクが1.7倍に高まるとの研究結果が発表されました。

近年、高齢者の慢性心不全患者は増加傾向にありますが、多くの場合は特別な自覚症状がないことから、患者自身が心不全であることに気付いていないケースも少なくなくありません。

また、安静時には症状が見られないものの、労作などの負荷がかかった時に心不全症状が顕れる” 潜在性心不全 ”患者が意外に多いとの、高知大学の研究チームによる研究結果も出ています。

高齢者の外来患者のうち11%に潜在性心不全が認められる

研究チームが、2001~2013年に慢性心不全で入院した約5,200人の患者のがん発症率を調べたところ、次のような結果が得られました。

慢性心不全患者のがん発症率は2.27%で、このうち心不全と診断された後にがんが発見された人では0.99%だった。

ちなみに、国立がん研究センターが公開している日本人全体のがん発症率は 0.59%で、この慢性心不全患者のがん発症率 0.99%は、その約 1.7倍に当たることから、慢性心不全とがん発症との間に強い関連性があることが示されたと言えます。

今回の研究成果により、少なくとも慢性心不全を治療中の患者は、自身のがん発症リスクが通常よりも高くなっていることを自覚することで、生活習慣の見直しや定期的ながん検診の受診などの対策を講ずることができます。

また、前述のように慢性心不全は特別な自覚症状がない場合が多く、時間をかけてゆっくりと進行します。

まずは、ちょっとした身体の不調も「年のせい」と放置しないこと。定期的な健康診断を欠かさないことにより、自身の心不全罹患を見逃さず、早期に発見して早期に治療を開始することが重要ですね。

さらに、心不全は身体活動量が極端に多い場合も、逆に極端に少ない場合もリスクが増大するとのスウェーデンの研究チームによる報告がありました。

そこでは、1日20分以上のウォーキングなどによって、心不全リスクが最も大幅に低減すること。さらに、心不全予防には、過去の身体活動レベルよりも、最近の身体活動レベルの方が重要である可能性も示されています。

慢性心不全ががんの発症リスクを高めるということは、心不全の予防はがん予防にも繋がると考えることもできます。「今さら運動しても・・・」という考えは捨て、今日から少しずつでも運動を始めてみませんか?

  1. 慢性心不全の患者はがんを発症するリスクが1.7倍に高まる
  2. 自身の心不全に気付いていない人が意外に多い
  3. 心不全予防には適度な運動が有効で、過去より最近の身体活動レベルが重要
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category : トピックス

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