認知症の早期診断・介入による効果を神戸市民5万人で検証!世界最大規模の研究開始へ

世界規模で急速に進む認知症の現状

今や我が国の認知症患者数は450万人以上で、その予備群とも言われる軽度認知障害を含めると、実に800万人にも及ぶとの報告もあります。その数は高齢化の進行に伴って、今後さらに増加すると見込まれており、しかもこの傾向は、日本のみならず世界規模で急速に進んでいるのが現状です。

そんな現状に鑑み、これまで世界各国で様々な角度から研究や調査が進められてきたものの、残念ながら未だ根本的治療法は確立しておらず、現時点で認知症は、早期発見・早期介入により病状の進行を遅らせることしかできません。

しかし逆に言えば、できる限り早期に診断を下し、できる限り早い段階から適切な治療を開始することで、認知機能低下の進行を減速させることができれば、治癒することはできなくとも、患者の日常生活の様々な障害を取り除くことはもちろん、介護の負担も軽減できる可能性があることを意味しています。

神戸市民5万人を対象とした世界最大規模の認知症研究がスタート

そして今回、WHO(世界保健機関)神戸センターと神戸大が中心となる共同研究チームは、神戸市の協力のもと、来年より70歳以上の神戸市民約5万人を対象に、認知症の大規模研究「認知症の社会負担軽減に向けた神戸プロジェクト」を開始することになりました。

このプロジェクトは、認知症の早期診断・早期介入をめざす統合的な「神戸モデル」構築に向けた3年間の共同研究で、認知症の予防・進行抑制の研究としては世界最大規模なのだとか。

認知症予備軍を選別し効果的な進行抑制対策を

大規模研究では、神戸市が70歳以上の市民に対して、厚労省が作成した健康状態を調べる「基本チェックリスト」を送り、その結果に基づいて認知症の予備軍を選別。最寄りの診療所などへの受診を促すと同時に、認知症に関する相談なども勧めることで、より早期の診断と治療に結びつけようというもの。

さらに脳トレなどを行う教室や、高齢者向けの生涯学習講座への参加の呼びかけなど、認知機能の低下抑止に効果があるとされる取り組みも積極的に行われる予定です。

3年間追跡して早期診断・介入効果を確認

今回の大規模研究において割り出される認知症予備軍は、約8千人に上ると推定されており、研究チームは、これらの選別された予備軍のみならず、予備軍とされなかった市民も含めて3年間追跡し、認知症の早期診断・早期治療開始や脳トレなどの効果、選別の元となる「基本チェックリスト」自体の有効性などが検証されます。

その結果、何らかの効果が確認されれば、” 神戸発の認知症対策プログラム ”として、日本のみならず世界各国に広められることになりそうです。

WHO神戸センターと神戸大学、認知症の早期発見・早期介入をめざす 「神戸モデル」構築に向けた共同研究を開始

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category : 認知症・アルツハイマー病

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