DHAやEPAを摂っているだけでは認知症は予防できないことが判明!

DHA(ドコサヘキサエン酸)EPA(エイコサペンタエン酸)に代表される不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)は、青魚に豊富に含まれ、とても体に良い栄養素であるとよく知られていますが、体内で合成することができない必須脂肪酸で、食事などから摂取しなければなりません。

DHA・EPAの驚くべき健康効果

DHAやEPAの健康効果は、その優れた抗炎症作用により、関節炎、アトピー性皮膚炎や花粉症、喘息などのアレルギー症状の緩和・改善。糖尿病や心臓病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病の予防、及び改善。さらには、がんを抑制する効果まで期待されています。

またDHAは脳の表面にある脂肪酸の約3割を占めており、神経細胞を活発にし、脳細胞間の情報伝達に欠かせないニューロンやシナプスを形成するのに不可欠な栄養素ですので、DHAは脳細胞を活性化し、脳ネットワークを拡張するために大変重要な役割を果たしていると言えますね。

また、EPAはDHAとは異なり脳内には分布していませんが、随時、酵素によってDHAに転換されると考えられています。

以上のようにDHAとEPAは脳に重要な影響を与えている栄養素ですから、認知機能の維持や向上に効果があると考えられてきましたし、実際、これまでの研究でもDHAやEPAが認知機能の低下を防ぐことが示唆されてきました。

2千人以上もの高齢女性を対象にした調査研究で意外な結果が・・・

ところが今回、アメリカで高齢者の女性を対象にした調査研究においては、そんな期待を裏切る結果が出てしまったようです。その調査研究の詳細は次の通りです。

米国の女性を対象にした研究(WHISCA)の参加者のうち、子宮の摘出手術を受けた65~80歳の認知症が認められない2,157人について、血液検査でDHAとEPAを合わせた濃度を測定。その値によって低濃度(2.04~4.41%)、中濃度(4.41~5.53%)、高濃度(5.54~12.82%)の3つのグループに分類した。

年齢、ホルモン補充療法などの影響を除外したところ、DHAとEPAの濃度が最も低いグループに比べ、最も高いグループで認知機能が高く保たれていることが分かった。しかし、教育、人種、BMI(肥満度)、運動、喫煙、飲酒などの影響も除外すると、7つの認知機能検査のうち6項目で差がなくなり、残り1項目も差が少なくなった。

つまり、健康に良いからと、日頃からDHAやEPAを意識して摂っていたとしても、肥満や運動不足、喫煙、飲酒といった生活習慣上の問題を抱えていた場合には、DHAやEPAによる認知症の予防効果はあまり期待できないという結果が出たわけです。

生活習慣の改善で認知症予防効果を着実にアップ

しかし今回の研究結果を逆から見れば、日頃から積極的にDHAやEPAを豊富に摂っている人は、たとえいくつかの生活習慣上の問題を抱えていたとしても、それらの問題を一つずつでも克服していくことで、認知症予防効果を着実にアップさせることができると考えることもできます。

生活習慣の健康への影響は言わば総合評価ですから、最初から全ての悪習慣を改善しようと頑張る必要はありません。ご自身の中で一番改善し易そうなものからとりあえず初めてみるのが良いと思われます。

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category : 認知症・アルツハイマー病

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