糖尿病の標準治療にSGLT2阻害薬上乗せで心血管イベント抑制!死亡リスク低下も

これまで糖尿病治療薬による心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントに対する影響が懸念されており、近年、その安全性に関する臨床試験の結果が多数報告されていたものの、プラセボ(偽薬)と比べた場合の優越性については示されていませんでした。

今回、日本を含む42ヶ国590施設で登録された、18歳以上の心血管疾患の既往のある2型糖尿病患者約7千人を対象とした大規模な比較試験において、糖尿病における標準治療にSGLT2阻害薬のエンパグリフロジン(日本での製品名:ジャディアンス)を上乗せすることで、2型糖尿病患者の心血管イベントのリスクが有意に低下し、さらに死亡リスクの顕著な低下が初めて確認されました。

この比較試験は、被験者に対して糖尿病の標準治療に加えて、エンパグリフロジン1日10mg投与する群、同薬を1日25mg投与する群、比較のためのプラセボ(偽薬)群の3群にランダムに割り付け、その後の心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントの発生や死亡率について、約3年間に渡って追跡調査したものです。その注目すべき研究結果は次の通り。

中央値で3.1年の観察期間中に主要評価項目がエンパグリフロジン群(①+②,以下同)では10.5%(4,687例中490例),プラセボ群では12.1%(2,333例中282例)で発生し,エンパグリフロジン群ではプラセボ群に比べ有意にリスクが低下した〔ハザード比(HR)0.86,95.02%CI0.74~0.99,優越性解析のP=0.04〕。

(中略)

事前に規定していた評価項目のうち心血管死(HR0.62,95%CI0.49~0.77,P<0.001),全死亡(同0.68,95%CI0.57~0.82,P<0.001),心不全による入院(同0.65,95%CI0.50~0.85,P=0.002)のリスクは,エンパグリフロジン群においてプラセボ群に比べ有意に低下することが示された。

つまり、糖尿病の標準治療にエンパグリフロジンを上乗せして投与した場合、主要評価項目となった心血管イベントのリスク低下のみならず、全死亡リスクを32%、心血管死リスクを38%も低下させていることが確認されたのです。今回の研究成果が、今後の2型糖尿病治療のアルゴリズムを根底から変えてしまうかも知れません。

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category : 糖尿病

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