糖尿病白内障の進行を抑える化合物を特定!将来は点眼薬で白内障予防が可能になるかも

白内障とは、眼の中のレンズの役割をする水晶体が加齢により濁ってしまう病気ですが、近年増えている糖尿病による合併症として発症する「糖尿病白内障」もあります。

現在、この糖尿病白内障を予防する薬剤もあるのですが、60年ほど前に出されたもので効果はあまり期待できず、実質的には外科手術しか有効な治療法がないのが現状でした。

そして今回、福井大大学院工学研究科と同大医学部の研究チームにより、そんな糖尿病白内障の進行を抑制する効果のある化合物が、世界で初めて特定されました。

今回の研究のポイントは、糖尿病白内障の予防を「エピジェネティクス」という現象からアプローチしたことです。

通常の遺伝病は、細胞の中にあるDNAの配列自体の異常によって発症しますが、生活習慣病などの後天的な疾患は、DNA配列そのものは正常であるにもかかわらず、ストレスなどを原因として通常とは異なる遺伝子情報が現れることで発症すると考えられています。

この” 正常なDNA配列の下で、何らかの原因により通常とは異なる遺伝情報が現れる現象 ”が「エピジェネティクス」です。

今回、研究チームは、白内障による症状の進行が左右の眼で差があるケースに着目し、このエピジェネティクスと白内障との関連を調べました。

研究チームは、ラットの眼球から水晶体を取り出して培養し、その一方だけにエピジェネティクスの働きを阻害する化合物を加えて、症状の変化を顕微鏡で観察しました。その結果は次の通りです。

二十六種類の薬剤を添加し、十種類で効果を確認した。薬剤を加えた水晶体は白内障の症状が抑制され、加えなかった水晶体の輪郭部分には白濁が見られた。

40代~50代といった比較的若い世代でも発症する糖尿病白内障は、前述のように現時点では有効な治療法は外科的手術しかありません。

今回の研究成果は、そんな糖尿病白内障に対する予防薬の開発に繋がると期待されています。将来的には副作用や患者への負担が少ない点眼薬での実用化を目指しており、医療設備の不十分な発展途上国への貢献という点でも、早期の実用化が望まれます。

  1. 糖尿病白内障の進行を抑制する化合物を初めて特定
  2. 糖尿病白内障の予防を「エピジェネティクス」という現象からアプローチ
  3. 将来は点眼薬での実用化を目指す
Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+
このエントリーをはてなブックマークに追加

category : 糖尿病

このページの先頭へ