閉経女性は飲酒量が増えると乳がんリスク増加、冠動脈疾患リスク減少

飲酒習慣が健康や死亡率にどのような影響を及ぼすかについては、これまで様々な報告が寄せられていますが、今回、デンマークの研究チームにより、これまでの研究とは少し視点の異なる、非常に興味深い研究結果が報告されました。

研究チームは、過去にデンマークで実施された大規模調査に参加した閉経女性、21,523人を対象に、飲酒量を5年以上間隔を開けて2回調査し、その間の飲酒量の変化と乳がん発症リスク、冠動脈疾患リスクなどとの関連について調べました。

つまり、被験者を閉経女性に限定した上で、単に飲酒習慣の有無や飲酒量と、各疾患や死亡率との関連ではなく、長期的に飲酒量が増加した人、逆に減少した人、飲酒量に変化がなかった人に分け、その後10年以上に渡る追跡調査が実施されたのです。

追跡期間中に1,054人が乳がんを、1,750人が冠動脈疾患を発症し、2,080人が死亡したこの調査の主な分析結果は次の通りです。

乳癌のハザード比が有意に増加したのは、1期目の週7杯未満から2期目は7~13杯に飲酒量が増えた群だった(ハザード比1.38、95%信頼区間1.10-1.73)。飲酒量が減った群で乳癌のハザード比が有意に増加した群はなかった。

一方冠動脈疾患のハザード比は、1期目の週7~13杯から2期目の週14杯以上に飲酒量が増えた群で有意に減少していた(ハザード比0.67、95%信頼区間0.50-0.91)。飲酒量が減った群では、冠動脈疾患のハザード比は有意差を示さなかった。

飲酒量の調査が実施された5年の間に飲酒量が増えた閉経女性は、乳がんの発症リスクが約38%高くなっていた一方で、冠動脈疾患の発症リスクについては、約33%低下していることがわかったのです。

ちなみに、調査期間の5年の間に飲酒量が減ったグループは、乳がんの発症リスクの有意な増加は見られず、冠動脈疾患のハザード比の有意差も示されなかったのだとか。

また、総死亡リスクについては、飲酒量が週に7~13杯の中等度または、週に14~20杯の高度だった閉経女性の飲酒量が、7杯未満に減少した場合と、逆に21杯以上に増加した場合に、死亡リスクの上昇傾向が見られたものの、有意差を示すとまでは言えなかったようです。

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category : 喫煙習慣・飲酒習慣

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