現地調査の結果、避難所の14%にエコノミークラス症候群の疑い

甚大な被害をもたらした熊本地震により被災し、車中泊や避難所での生活を余儀なくされている被災者の「エコノミークラス症候群(肺塞栓症)」などの、二次的な健康被害が大きな問題となっています。

これまでエコノミークラス症候群に関しては、特に狭い車中泊による発症リスクが注目されてきましたが、今回、新潟大学の榛沢和彦講師らの現地調査の結果、避難所での生活でも、そのリスクが非常に高まっている実態が明らかになりました。

危険なのは車中泊の人だけではありません

榛沢講師らは熊本市や益城町の避難所6か所で、同意が得られた79人の被災者に対して、脚の超音波検査や症状の聞き取り調査を実施した結果、その14%にあたる11人で血栓が見つかり、エコノミークラス症候群の疑いがあることが判明。

これは、避難所生活をされている方全体の、実に7人に1人に当たるという異常な数字です。しかも、その中には呼吸困難や胸の痛みといった典型的な症状を訴える人もいたのだとか。

また、今回、エコノミークラス症候群の疑いありと診断された被災者は全員女性で、69~87歳の高齢者であった点も注目すべきかも知れませんね。

エコノミークラス症候群の発症リスクが高い人

つい先日、日本血栓止血学会より被災者に向けて、エコノミークラス症候群予防のための緊急提言が発表されました。最後に、その中で挙げられている、エコノミークラス症候群の発症リスクが高い状況を引用しておきます。

  • 車中泊をしている
  • 高齢者
  • 肥満
  • 妊娠中、出産後まもない
  • 最近手術を受けたばかり
  • 外傷や骨折で治療中
  • 上下肢に麻痺がある
  • がんの治療中
  • 自己免疫性疾患(全身性エリテマトーデスや慢性関節リウマチなど)
  • 経口避妊薬やホルモン補充療法薬の服用中
  • 心臓や肺の機能が低下している
  • 自身や家族が過去に肺塞栓症や深部静脈血栓にかかったことがある
  • 遺伝的や体質的に血液が固まりやすい

今回の現地調査の結果、ハイリスク者として明らかになった高齢女性はもちろんですが、もしも上記の項目に一つでも該当する場合は、特に注意が必要です。

なお、現在、日本血栓止血学会の公式サイトでは、これらの情報を含め、エコノミークラス症候群(肺塞栓症)に関する概要や予防法などをわかりやすく解説したPDFファイル「被災地における肺塞栓症の予防について」が配布されています。この機会にダウンロードして目を通しておいてみてはいかがでしょうか。

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category : トピックス

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