風邪の症状の後、子どもの手足に原因不明のまひが…エンテロウイルスの実態調査を開始

今年の夏以降、発熱や咳などの風邪のような症状が出た後、手足に原因不明のまひを起こす子どもが相次いで報告されており、一部の患者から「エンテロウイルスD68」というウイルスが検出されたことから、今回、厚生労働省は実態調査を始めました。

エンテロウイルスは腸管内で増殖する60種類以上あるウイルスの総称で、腸管ウイルスとも呼ばれています。この夏に大流行した「手足口病」や「小児まひ」と呼ばれるポリオなどの原因ウイルスも、このエンテロウイルスの仲間で、今回、検出された「エンテロウイルスD68」もその一種です。

手足のまひを起こした子供から「エンテロウイルスD68」を検出

日本小児神経学会によって、今年8月からこれまでの間に実施された調査の結果は次の通りです。

今年8月から10月下旬、0~11歳の子供47人で呼吸器症状などの後に手足の急性まひが起き、このうち2人からウイルスが検出された。

この「エンテロウイルスD68」に感染した場合、その多くは発熱や軽いせきなどの風邪のような症状で治まりますが、時に重症化すると、肺炎や呼吸障害などに陥る場合もあり、国内でこのウイルスに感染した子どもは、2010年以降で200人を超えていますが、そのうち数人で手足のまひが確認されていました。

手足のまひとウイルス感染との因果関係は不明

また、昨年夏以降に感染者数1000人を超える大規模な流行があった米国においては、手足のまひが起きた患者が相次いでおり、その一部から「エンテロウイルスD68」が検出されたものの、現時点では手足のまひと感染との因果関係は不明のようです。

残念ながら、このウイルスに有効な治療薬やワクチンはありません。風邪やインフルエンザなどと同様に、感染者のせきやくしゃみなどのしぶきを介して感染が広がる飛沫感染ですので、マスクの着用や手洗いの励行などの対策が何よりも重要です。

この「エンテロウイルスD68」は、夏から秋にかけて流行するウイルスですので、今後、感染が拡大する可能性は低いと言えます。しかし、来年も流行する恐れがありますし、手足のまひが起こってしまった場合、回復しないケースもあるようなので、もしも疑われる症状がある場合は、すぐに医療機関を受診すべきだと言えます。

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category : その他の感染症

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