喫煙による”くも膜下出血”リスクは男性よりも女性で跳ね上がる

予防に重要な危険因子の把握

脳卒中の中で最も治療が難しいとされる” くも膜下出血 ”は、致死率が約50%と高く、たとえ命が助かった場合でも、治療により後遺症なく社会復帰できるのは30%程度で、残りの約20%に後遺障害を残します。

そのため、くも膜下出血は予防に努めることが何よりも重要であると考えられており、もちろんそのためには、その危険因子を把握することが不可欠です。

従来より、この くも膜下出血は女性に多いことが知られており、” 女性であること ”が くも膜下出血の独立した危険因子であるという説もありましたが、その具体的なメカニズムについては、これまでよくわかっていませんでした。

女性の喫煙は くも膜下出血リスクを生涯に渡って累積的に高める

そして今回、この” 女性であること ”が くも膜下出血の独立した危険因子であるとする説を否定した上で、女性に くも膜下出血が多いことを説明しうる、非常に興味深い最新の報告が、フィンランドの研究チームにより発表されました。

研究チームが、6万人以上のフィンランドの住民を対象とした大規模調査のデータを解析した結果、喫煙が くも膜下出血の発症リスクに与える影響は、男性に比べて女性の方がはるかに大きいことがわかったのです。

そもそも喫煙は、男女ともに くも膜下出血の重要な危険因子とされています。今回の研究により、喫煙量が多ければ多いほど、リスクの上昇が見られ、特に、1日の喫煙本数が31本以上のヘビースモーカーでは、くも膜下出血の発症リスクは約4倍にも達していたのだとか。

さらに、この喫煙の くも膜下出血リスクへの影響は、1日の喫煙本数が21~30本の男性の場合、くも膜下出血の発症リスクが 2.76倍であったのに対し、女性のリスクは 8.35倍に跳ね上がり、男性に比べて女性の方が強く、生涯に渡って累積的にリスクを高めることがわかったのです。

”女性であること”自体が独立した危険因子ではない

また、この傾向は非喫煙者のみを対象とした調査では見られなかったことから、” 女性であること ”それ自体が独立した危険因子とは言えない可能性が出てきたわけです。

つまり、従来、女性に くも膜下出血が多く見られるという事象は、単に” 女性 ”であるからではなく、喫煙の くも膜下出血リスクへの影響を強く受ける女性が、喫煙によってリスクを相乗作用的に高めた結果であると考えることができるのです。

禁煙によるリスクの大幅な低下も確認

一方で、現在は禁煙に成功している過去の喫煙者は、現喫煙者に比べて くも膜下出血の発症リスクが大幅に低く、禁煙期間が6ヶ月以上の男女のリスクは、非喫煙者とほぼ同等であることもわかりました。

あらためて禁煙の重要性が示されたと言えますね。もちろん喫煙は くも膜下出血の最大の危険因子ですが、それ以外にも次のような要因が挙げられます。

  • 高血圧の持病がある
  • 親や兄弟などに脳卒中の既往がある
  • 日頃から強いストレスを抱えている
  • お酒が好きで深酒しがち

禁煙を実践することはそう簡単なことではありませんが、現在では有効な禁煙治療もあることを考えると、上記の危険因子をコントロールすることは、ある意味で禁煙よりも難しいと言えます。

特に、これらの危険因子に心当たりのある女性スモーカーは、この機会に禁煙に挑戦してみてはいかがでしょうか?

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category : 喫煙習慣・飲酒習慣

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