要介護一歩手前でも生活習慣改善で、3割がフレイルから離脱

かつては「虚弱」や「脆弱」など、様々な言葉が使われてきましたが、日本老年医学会の提唱により、2014年からは、健康な状態と要介護状態の間にある状態を「フレイル」と呼ぶよう統一されました。

主に筋肉量の減少による筋力や身体的機能の低下を意味する「サルコペニア」に対して、「フレイル」には、筋力だけでなく、移動能力、バランス力などの運動処理能力のみならず、栄養状態や持久力、認知機能など様々な要素が含まれています。

フレイルの状態にある人は、様々な疾患に罹患しやすくなり、転倒するリスクも高く、入院治療を経て要介護状態に至る危険性が、健康な人に比べて高いとされています。

ところが最近の研究により、このフレイルの状態を早期発見し、早期に対処することで、要介護に至る確率を下げ、健康寿命を伸ばすことも可能ではないかと考えられるようになってきました。

約3割の高齢者はフレイルの状態から脱していた…

そして今回、筑波大学などの研究チームが、2011年に滋賀県内で介護が必要なかった高齢者、約3,500人を対象に4年間追跡した調査のデータを分析したところ、介護が必要になる一歩手前のフレイルの状態にある高齢者でも、生活習慣の改善によって約32%の人は、4年後にはフレイルの状態から脱しており、状態が改善していたことが分かりました。

生活習慣の影響を分析した結果、フレイル状態からの離脱に特に効果が高かった生活習慣は、週に1回以上の軽い運動と、週5回以上の乳製品の摂取だったことも判明。フレイルから改善する確率は週1回以上の軽く息が上がる運動で3倍に、週5回乳製品を食べることで2倍に高まっていたのだとか。

しかし、その一方で、地域の行事などの社会参加がない人は、積極的に参加する人に比べて、フレイル状態から要介護や死亡へと悪化するリスクが2倍だったこともわかりました。

高齢になると、体力や栄養状態、認知機能の低下は仕方のないものと考えられがちですが、要介護状態の手前であれば、日々の運動や食生活といった生活習慣の改善や、社会への積極的な参加などにより、十分に回復可能であることを明らかにした今回の研究成果の意議は大きいと言えますね。

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category : トピックス

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