やはり!胃粘膜の萎縮が進むほど胃がん発症率が高くなることが判明

一般に慢性胃炎と呼ばれる ”慢性的な非萎縮性胃炎” から、胃粘膜の萎縮をともなう ”萎縮性胃炎”、さらに上皮組織の変質をともなう ”腸上皮化生”(ちょうじょうひかせい)、そして上皮組織の細胞が正常では見られない形態になる ”異形成” へと進行する胃粘膜の変化は、胃がん発症に至る一般的なルートと考えられています。

ところが、胃粘膜の萎縮が進むほど、実際に胃がんの発症率が上がるのかどうか、非萎縮性胃炎や萎縮性胃炎それぞれについて、胃がん発症の絶対リスクがどの程度なのかについては、これまでの研究では一致した結果が得られていませんでした。

今回、スウェーデンの研究チームにより、1979年から2011年までに癌以外の疾患で内視鏡検査と生検を受けた28万8167人のデータを抽出し、胃粘膜の萎縮度の進行に基づいて次の6群に分類して、平均10年間に渡って追跡調査しその後の胃がん発症率が調べられました。

  1. 胃粘膜正常
  2. 微小な変化
  3. 非萎縮性胃炎
  4. 萎縮性胃炎
  5. 腸上皮化生
  6. 異形成

その結果、胃粘膜の萎縮度が進むほど、胃がんの発症率が顕著に高くなることが判明しました。上記6群それぞれにおける胃がん発症率は次の通りです。

胃粘膜正常群が1.0(95%信頼区間0.9-1.3)と標準集団(スウェーデン国民全体)と同じであるのに対し、微小変化群は1.5(1.1-2.0)、非萎縮性胃炎群は1.8(1.7-1.9)、萎縮性胃炎群は2.8(2.3-3.3)、腸上皮化生群は3.4(2.7-4.2)、異形成群は6.5(4.7-8.7)になった。

すなわち、癌以外の疾患で内視鏡検査と生検を受けた人のうち、それぞれの胃粘膜の萎縮度ごとに分けた時の、その後に胃がんを発症した患者の割合をまとめると…

正常粘膜群 256人に1人
非萎縮性胃炎群 85人中1人
萎縮性胃炎群 50人中1人
腸上皮化生群 39人中1人
異形成群 19人中1人

…となり、胃粘膜の萎縮度が進むほど、その後の胃がん発症率が明らかに高くなるとの結果が得られたのです。

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category : がん治療・がん研究全般

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