市区町村の胃がん検診に内視鏡検査を新たに推奨!厚労省方針

厚生労働省は市区町村が実施する対策型胃がん検診において、これまでのエックス線検査に加えて、鼻や口から内視鏡を挿入して胃粘膜を直視で観察する内視鏡検査を推奨する方針を固めました。

これまで内視鏡検査については、死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分されており、人間ドックなどで行う任意型検診では実施されてきましたが、公共的な予防対策として行う対策型胃がん検診では、主にエックス線検査が40歳以上を対象に年1回実施されてきました。

ところが、2013年度以降に内視鏡検査の有利性を示す報告が国内外から相次いだのです。より具体的には次の通り。

新潟県と鳥取県で行われた研究では、3年以内の内視鏡検診により30%、韓国からの報告では57%、それぞれ死亡率が下がり、胃X線検診より効果が大きいことが分かった。

これらの研究結果を背景として、今年4月、国立がん研究センターはガイドラインの中で、対策型検診および任意型検診における胃がん検診として、エックス線検査と並んで胃内視鏡検査を初めて推奨するとしたのですが、今回の厚労省の方針決定はこれを受けたものです。

内視鏡検査導入には課題も

とは言え、内視鏡検査においては、内視鏡専門医の偏在や検診の精度管理、エックス線検査より費用がかかることなどの課題も多く、また、内視鏡を入れる前に行う喉の麻酔に伴うショックや、精密検査のための胃の組織を採取する際の出血などの不利益も想定されており、それらの緊急対応ができる体制を整備した上で行うべきだとも・・・”推奨”されはしたものの、実際に市区町村での対策型検診において胃内視鏡検査が導入されるのは、なかなか難しいかも知れませんね。

今回は、胃粘膜の萎縮を調べるペプシノゲン検査と、胃がん発症の最大の原因とも言われているピロリ菌の感染検査という2つの血液検査は、その効果がまだ明確になっていないとの理由から推奨は見送られたようですが、将来的には、これらの血液検査と組み合わせることによって、ピロリ菌の感染や胃粘膜萎縮が認められた胃がん高リスク者を対象として、内視鏡検査を実施するという手もありそうです。

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category : 検査・検診

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