世界初!毛髪を作る器官そのものを再生する共同研究を開始

つい2週間ほど前、東京医科大学と東邦大学、資生堂の3者による、毛髪再生治療の臨床研究が開始されるというトピックスを取り上げました。

壮年性脱毛症の新しい解決策に?毛髪再生治療の臨床研究開始

この臨床研究は、患者の後頭部から採取した、正常な頭皮の細胞「毛球部毛根鞘細胞」を培養し、これを患者の脱毛部に自家移植して、衰えた毛髪を刺激するという治療法の安全性と効果を確かめるべく、約60人の男女を対象として実施するものでした。

理研が有する最新の毛髪再生技術を利用した共同研究がスタート

そして今回、この臨床試験とは別に、理化学研究所京セラ、医療ベンチャーのオーガンテクノロジーズの3者により、最新の再生医療の技術を駆使した脱毛症の治療に関する共同研究が開始されることになりました。

今回の共同研究は、採取した頭皮から毛髪を作る器官(毛包)になる2種類の幹細胞を取り出して、それぞれを別々に培養した後、両者を合わせて” 毛包のもと ”を作製。これを脱毛部に移植し、毛包に育てて毛髪を生やすというもので、世界で初めての毛髪を作る器官そのものを再生する試みです。

現在の治療法のデメリットと毛包再生治療のメリット

現在、一般に普及してる脱毛症の治療法としては、毛髪の残った後頭部の頭皮を採取して、脱毛部に1本ずつ移植する方法がありますが、この場合、たとえ毛髪が定着したとしても、毛髪が移動するだけで数が増えることはありません。

また、この治療法では、後頭部から1.5×10cm程度の皮膚を採取する必要があるため、後頭部に大きな傷が残ってしまうというデメリットもあります。

今回の再生技術が実用化されれば、後頭部から採取する毛髪の本数は、今までの20分の1ほどの100本程度ですので、傷が小さくて済みます。また、幹細胞を培養した上で毛髪を作る器官そのものを移植するため、頭髪の数自体を増やすことができます。

さらに、再生した毛包から生えてきた毛髪は、周囲の毛の流れに沿って生え、一旦定着すれば通常の髪と同じようにシャンプーなども可能なのだとか。

まだ多くの課題も…2020年以降の実用化を目指す

但し、採取した頭皮組織から幹細胞を取り出して” 毛包のもと ”を作製し、こを移植して実際に毛髪を生やす技術については、理研は既に2012年にマウス実験で成功しているものの、” 毛包のもと ”を再生する幹細胞の培養技術は未だ確立していないなど、まだ多くの課題も残されているようです。

前述した、東京医科大などによる臨床研究が、2018年度中の事業開始を目指しており、その実用化も非常に現実性を帯びてるのに対して、今回の理研や京セラなどによる毛包再生治療は、今後2年をかけて治療の安全性や効果を確認した後、生産技術の開発に入るのだとか。

研究チームによると、2020年以降の実用化を目指しているとのことですが、最終的にはコストなどを見極めた上で、実用化の判断が下されるようです。

いずれにしても、この数年で脱毛症の治療法が大きく変わることは間違いなさそうですね。さらなる研究に期待しましょう。

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category : その他の再生医療

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