ピロリ菌経口ワクチンの臨床試験で感染予防効果を確認

感染すると胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こし、さらには胃がんの発症の最も大きな原因になるとされるピロリ菌は、現在、世界人口の約半数が感染していると見られています。

将来の胃がん発症リスクを軽減するため、胃に棲み着いたピロリ菌を除去する除菌治療が広く行われていますが、除菌治療はかならず成功するとは限らず、失敗した場合は、ピロリ菌が除菌薬に対する耐性を獲得する可能性があります。また、たとえ除菌治療に成功したとしても、胃がんリスクが非感染例に比べると高いままであるなどの課題もありました。

ピロリ菌を除菌ではなく予防する

今回、中国の研究チームにより、感染歴ない6~15歳の小児 4,464例を対象にして実施された、ピロリ菌経口ワクチンに関する、治験の最終段階である臨床第Ⅲ相試験の結果が報告されました。注目すべき結果は次の通りです。

3回接種を完了した4,403例(99%)のper-protocol解析による,接種後1年以内のH. pylori感染件数はプラセボ群の2,089.6リスク人年当たり50件に対し,ワクチン群では2,074.3リスク人年当たり14件,ワクチンの有効性は71.8%(95%CI 48.2~85.6%)と算定された。

また、臨床研究中に見られた副反応の出現率も、ワクチン接種群とプラセボ群との間に差異は見られず(ともに約 7%)、報告された重篤な有害事象も両郡ともに1%未満で、ワクチンとの関連も認められなかったようです。

今回の臨床試験により、接種後1年間ではありますが、ピロリ菌感染歴のない小児に対する、ピロリ菌経口ワクチンの接種による有効性と安全性、免疫原性が確認されたわけです。ワクチン接種によりヒトのピロリ菌感染を防ぎうるこを示した初の臨床試験なのだとか。

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category : 新しいお薬・ワクチン

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