遺伝性難聴の根本治療に光!遺伝子治療で聴力改善にマウスで成功

約2千人に1人の割合で発症するとされている遺伝性難聴。生まれつき耳が聞こえない例が多く、日本における推定患者数は3万人以上にも及ぶと言われています。

この遺伝性難聴は遺伝子の変異によるものなのですが、これまで報告されている原因遺伝子は60種類以上あるものの、その中の一つ ”GJB2” 遺伝子の変異により発症するケースが、全体の3割~5割を占めるとされています。

世界初!難聴マウスを遺伝子治療で聴力1~4割改善

今回、順天堂大と理化学研究所などの研究チームは、この ”GJB2” 遺伝子を欠き、内耳が正常に作られなかったマウスを作製した上で、生まれたばかりのマウスの内耳にウイルスを使って ”GJB2” 遺伝子を導入したところ、内耳が正常に発達し、難聴を予防することに成功しました。

順天堂大の池田勝久教授らは「GJB2」遺伝子を欠いたマウスを作製。このマウスが生後間もない時期に、内耳に正常な遺伝子を入れると、入れなかったマウスと比べ聴力が1~4割改善した。

遺伝子を欠いたマウスは、内耳の中で音を感受するコルチ器が形成されないが、遺伝子治療を実施すると発育が改善された。

マウス実験レベルの研究成果ではありますが、患者の最も多いタイプの遺伝性難聴に対して、遺伝子治療によって聴力を回復させることに成功したのは世界初の快挙です。

iPS細胞を使えば生後の遺伝子治療も可能に

この研究成果をヒトへ応用するためには、内耳が形成される胎児期に治療を施す必要があるのですが、生後にiPS細胞を使って遺伝子治療を実施する研究も進められているようです。

遺伝性難聴については、これまでは有効な治療法がなく、補聴器や人工内耳に頼らざるを得ませんでした。今回の研究成果は、そんな遺伝性難聴に対する根本的治療法の開発に道を開くものと期待されています。

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category : 遺伝子

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