非アルコール性脂肪肝炎や肝硬変を改善するホルモンを発見

「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」とは、その名の通り、アルコールの摂取を原因とするものではなく、生活習慣に起因して発症する脂肪肝炎です。自覚症状がほとんどないため、発見が遅れる場合も少なくなく、国内の患者数は300万人に及ぶとも言われています。

これまでにも当サイトでは、この「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」に関して、新しい報告がある度に取り上げてきましたが、今回、非アルコール性脂肪肝炎」のみならず、そこからさらに病状の悪化した肝硬変までも改善しうるホルモンを発見したという、注目すべき最新の報告がありました。

成人成長ホルモン分泌不全症の患者にNASHが多いことに着目

神戸大医学部の高橋裕准教授らの研究チームは、脳下垂体から成長ホルモンが分泌されない「成人成長ホルモン分泌不全症 (AGHD) 」の患者に、脂肪肝やNASHを発症する頻度が高く、しかもAGHDに対する成長ホルモン治療が、NASHにも効果を示すことに着目しました。

そこで研究チームは、NASHや肝硬変を発症したマウスに、成長ホルモンによって肝臓で作られるホルモンである「 IGF-1 」を投与したところ、肝臓の炎症や脂肪の沈着、繊維化などを改善する効果が確認できたのだとか。

新薬開発に繋がればNASHの完治も期待!3~5年後にも治験へ

「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」は、そのまま放置すれば肝硬変や肝臓がんに進む危険があるにも関わらず、現時点では有効な治療法が確立していません。

また、最近では肥満の子どもにも多く見られるようになってきており、その対策が急がれていました。

今回の研究成果が新薬の開発に繋がれば、生活習慣改善との組み合わせでNASHの完治も夢ではないばかりか、これまで完治には肝移植しかなかった肝硬変にも効果があると期待されています。

研究チームは、今後さらに研究を進め、3~5年後をめどに新薬開発のための臨床試験を開始したいとの展望を示されています。

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category : 肝臓の病気

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