週1回以上の温泉が脂質異常を改善し動脈硬化を予防する可能性

現在、日本には3,088ヶ所の温泉地があり、泉源数は27,367ヶ所、温泉施設も21,161ヶ所に及ぶそうです。(※)

最近では都心にも温泉施設が充実していることから、今や日本全国、どこに住んでいても、その気にさえなれば、その日のうちに温泉に入ることも可能ではないでしょうか。

今回、東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授により、そんな温泉が大好きで、特に血中のコレステロール値などが異常な脂質異常症を持っている人には、ちょっと嬉しい調査結果が発表されました。

約1,000人の検診データを分析してわかった温泉の効果

早坂教授は、温泉入浴の健康維持効果を検証するため、温泉地として名高い静岡県熱海市の協力を受け、特定健診を受けた市民のうち1,092人を対象に、温泉に入浴する習慣の有無、性別、年齢などと、検診結果のデータを分析しました。それによって得られた研究結果の概要は次の通りです。

その結果、温泉入浴の習慣のある人はない人に比べ、65歳未満の男性でLDLコレステロールの平均値が低く、65歳以上の女性でHDLコレステロールの平均値が高かった。

LDLコレステロールとは、肝臓でつくられたコレステロールを各臓器に運ぶ大切な役割を果たしています。しかし、このLDLコレステロールが過剰になると、血管内に放置され、ひいてはそれが動脈硬化を引き起こす原因となるため、俗に「悪玉コレステロール」と呼ばれています。

温泉入浴の習慣のある65歳未満の男性は、そのような習慣のない人に比べて、この悪玉コレステロールたるLDLコレステロールの平均値が低いことがわかったのです。

一方、HDLコレステロールは、血管内に放置された悪玉コレステロールを回収し、肝臓まで運ぶ働きをし、動脈硬化を予防することから、「善玉コレステロール」と呼ばれています。

温泉入浴の習慣のある65歳以上の女性は、この善玉コレステロールたるHDLコレステロールの平均値が高いことがわかりました。

以上の結果から、年齢と性別は限定的ではありますが、日常的な温泉入浴の習慣はLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やすことで、脂質異常症になりにくくし、ひいては動脈硬化を予防しうる可能性が示されたわけです。

ちなみに、この調査研究において「日常的な温泉入浴の習慣あり」とされた人は、週に1回以上温泉に入浴している人でした。週に1回程度の温泉入浴であれば、ちょっと頑張れば実践できる習慣です。温泉好きで、コレステロール値が気になる方は、試してみて損のない習慣と言えますね。

(※) 2016年3月に発表された最新の資料に基づくデータです。(日本温泉総合研究所 「日本の温泉地データ」より)

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category : 動脈硬化

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