ヒートショックプロテインでうつ病改善!既存の胃薬で効果確認

しおれたレタスも50度のお湯に浸すとたちまちシャキシャキに…今話題のヒートショックプロテイン(HSP)による効果ですが、今回、岡山理科大と徳島大病院の共同研究チームは、そんなHSPの一つがうつ病の発症に関与していることを、マウスを使った実験で明らかにしました。

さらに、そのHSPを増やす作用がある既存の胃薬を、うつ状態にしたマウスに投与したところ、その症状を抑えることも確認できたことから、うつ病の予防や新たな治療法の開発に繋がると期待されています。

ヒートショックプロテイン(熱ショックタンパク質:HSP)とは、体内の至るところに存在し、熱や紫外線、活性酸素などのストレスにより傷付いたタンパク質を修復したり、細胞を保護する特殊なタンパク質の一群です。

研究チームは、ストレスを与えてうつ状態にしたマウスの脳の海馬で、多くの種類があるHSPのうち“ 105 ”というタイプ(“ HSP105 ”)が著しく減少していたことに着目。

このHSP105を増やす作用が確認されており、既存の胃薬にも広く使われている安全性の高い成分“ テプレノン ”を経口投与したところ、うつ症状の改善が確認されました。

さらにこの時、うつ病やアルツハイマー病などの脳の神経疾患に関与することが知られている“ 脳由来神経栄養因子BDNF) ”というタンパク質の一種も脳内で増えており、その関連を調べた結果、HSP105がBDNFを介してうつ症状を抑えているメカニズムも明らかになりました。

既存の抗うつ薬は、神経伝達物質の量を調節するものが多く、それによる効果が見られないケースも少なくありませんでした。

今回の研究成果により、これまでとは異なる新たなメカニズムによるうつ病の治療薬開発に繋がるだけでなく、事前に脳内のHSP105を高めることにより、うつ病の予防ができる可能性も出てきたと言えます。

また、今回うつ症状の改善作用が確認された“ テプレノン ”は、既存薬として広く使用され、安全性も確認されているので、新薬の開発に比べて実用化へのハードルも低いという点も見逃せませんね。

  1. うつ病の発症に関与するタンパク質を特定
  2. そのタンパク質は、今話題のヒートショックプロテイン(HSP)の一つだった
  3. そのHSPと脳由来神経栄養因子(BDNF)との関連も明らかに
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category : うつ病

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