高LDLコレステロール血症の遺伝的要因は2%に過ぎなかった

脂質異常症とは、文字通り血液中の脂質の数値が異常な状態を言います。

血中脂質の異常には、悪玉コレステロールの数値が高過ぎる「高LDLコレステロール血症」、逆に善玉コレステロールの数値が低過ぎる「低HDLコレステロール血症」、さらに中性脂肪の数値が高い「高中性脂肪血症」があり、これら3つのうち1つでも当てはまれば脂質異常症です。

今回のトピックスは、その中でも悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロール値の異常である「高LDLコレステロール血症」に関する話題です。

「非常に高い」LDLコレステロールは遺伝によるもの?

高LDLコレステロール血症の診断基準は、LDLコレステロールの数値が 140mg/dL以上とされていますが、さらにそれよりも高い 190mg/dL以上の「非常に高い」人については、これまでの研究ではその4分の1は、遺伝子異常が原因である可能性が指摘されていました。

実際、これまで臨床の現場では、LDLコレステロールが190mg/dLを超える患者については、遺伝子の異常により生まれつき血中のLDLコレステロールが異常に増殖する「家族性高コレステロール血症」が主な原因、つまり遺伝的要因であるとみなされてきたようです。

遺伝子的要因はわずか2%に過ぎないことが判明

ところが今回、米マサチューセッツ総合病院の研究チームが、コレステロール値が非常に高い患者、約2万6千人を対象に、過去最大となる遺伝子配列解析を実施したところ、家族性高コレステロール血症に繋がるとされる遺伝子変異を持つ人の割合は、わずか 2%に過ぎないことが判明したのです。

つまり、悪玉コレステロールが異常に高い数値になる原因は、遺伝子の異常によるものはほとんどなく、実は、日常生活における過食や運動不足、多量の飲酒、脂質の取り過ぎ、喫煙習慣などの複数の要因が重なることで、コレステロール値に大きな影響を与えているケースがほとんどである可能性が出てきたわけです。

「遺伝だから仕方ない・・・」そう最初から諦めて、スタチンなどの薬に頼り切っていませんか?今一度、ご自身の生活習慣を見直してみる必要があるのかも知れません。

ちなみに、これらのLDLコレステロールが非常に高い人が、50~60代までに心筋梗塞などの命にかかわる重大な疾患を発症するリスクは、平均的なコレステロール値(130mg/dL未満)の人と比べて22倍も高いという報告があります。

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category : 脂質異常症

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