慢性低ナトリウム血症が記憶障害や歩行障害の原因に!

本来、血液中のナトリウム濃度は一定の範囲に厳格に調節されており、特に脳は血液中のナトリウムの濃度の変化に敏感に反応します

例えば脱水を防ぐためにと、大量の水を飲むことにより、血液中のナトリウム濃度が一時的に急激に下がった場合には、錯乱や痙攣(けいれん)を起こし、昏睡や最悪の場合には死に繋がることもあります。

慢性低ナトリウム血症について

一方で、心不全や肝硬変などの持病を持っている高齢者や、腎不全などにより腎臓が正常に機能していない人の場合、この血液中のナトリウム濃度が下がった状態が長く続く「慢性低ナトリウム血症」を発症するリスクが高いと考えられています。

そして今回、名古屋大の研究チームは、この「慢性低ナトリウム血症」が記憶障害や歩行障害を引き起こす可能性があることを、ラット実験で明らかにしました。

ラットをこの症状にして行動を調べた結果、直前に見た図形を覚えていなかったり、歩行中にふらついたりしていることが分かった。

一方、ラットに薬を投与し、症状の改善を図ったところ、記憶や歩行の機能が回復した。

さらに、研究チームは今回の研究によって、「慢性低ナトリウム血症」が原因で脳内に記憶障害が発生するメカニズムの解明にも成功したのだとか。

今回はラットを対象とした実験結果ではありますが、もちろんヒトの場合でも同様の障害を引き起こすと考えられています。

慢性低ナトリウム血症の高リスク者は要注意

従って、「慢性低ナトリウム血症」を発症するリスクの高い人、例えば腎不全や心不全、肝硬変などの持病を持っている高齢患者などは、認知症や歩行障害などの症状が出ていないかについて、これまで以上に留意しておく必要があると言えます。

また、それらの高リスク者に対しては、定期的に血液中のナトリウム濃度を測定することによって「慢性低ナトリウム血症」の発症を予防し、同症による認知機能の低下や転倒による骨折を未然に防げる可能性があると言えます。

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category : 認知症・アルツハイマー病

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