ヒトiPS細胞から作製した膵島をサルに移植し、血糖値低下を確認

膵臓の中に島状に点々と散らばっていることから「膵島(ランゲルハンス島)」と名付けられた細胞の塊は、血糖値を下げるインスリンを分泌する重要な役割を果たしています。

今回、東京大学などの研究チームは、ヒトiPS細胞から作製した膵島を糖尿病を発症したサルに移植し、血糖値を下げることに成功しました。

現在の糖尿病治療においても膵島移植は行われています。移植手技自体は難しいものではないものの、ドナーは脳死した人に限られることから、他の臓器移植同様、ドナー不足は深刻な状態です。

また、膵臓から膵島のみを純粋に取り出す技術がまだ十分でないため、一つの膵臓から集めた膵島を移植しても、インスリン注射が必要なくなるような状態にまで回復しないことが少なくありませんでした。

より長期に渡る移植効果の検証や、iPS細胞から膵島を作製するためのコストの低減など、まだまだ多くの課題は残されていますが、iPS細胞を利用することができれば、ドナーに頼ることなく人工的に膵島を大量に作製することが可能なります。

研究チームは5年後に患者に移植する臨床研究を始めることを目指しています。

人のiPS細胞で作った膵島数万個を極細のチューブに封入し、糖尿病の小型サル「マーモセット」3匹の腹部に移植。数日後に血糖値が正常値に下がり、20日後まで持続したことを確認した。

  1. ヒトiPS細胞から膵島を作製し、糖尿病のサルに移植したところ、血糖値を下げることに成功
  2. 現時点でも膵島移植は行われているが、深刻なドナー不足や膵臓から膵島を取り出す技術に問題あり
  3. 膵島移植にiPS細胞を利用することができれば、その2つの問題を解決することができる
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category : iPS細胞

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