iPS細胞を創薬に活用!骨の難病にスタチンが効く可能性を確認

iPS細胞を創薬に活かした初めての事例になる可能性

iPS細胞と言えば、先日、世界で初めてヒトに対して、iPS細胞を使った移植手術が行われ話題になったところですが、今回は、iPS細胞活用のもう一つの側面である創薬に関するトピックスをお届けします。

今回、遺伝子変異により軟骨の異常で骨がうまく成長せず、低身長や呼吸障害になる難病の治療に、高コレステロール血症の治療薬として広く使われている”スタチン”が有効である可能性が、iPS細胞を用いた実験で示されました。その実験の詳細は次の通りです。

新生児と成人患者計6人の皮膚細胞からiPS細胞を作り、軟骨細胞に分化させ、病気の状態を再現した。この細胞に既存の高コレステロール血症治療薬「スタチン」を入れて分化させたところ、軟骨の形成が回復した。

生後まもない病気のマウスに注射する実験でも腕やすねが正常と同程度に成長し、体重が増加し、効果が確認されたという。

上記の難病患者の細胞から作ったiPS細胞を基に、言わば”試験管の中で”この病気の状態を再現した細胞を作り出し、その細胞にスタチンを投与したところ、病態の顕著な改善が確認できたわけです。

研究チームによれば、2年以内には実際にヒトに投与する臨床試験を目指しているのだとか。これが実現すれば、iPS細胞を薬の開発に活かした初めての事例になるかもしれません。

スタチンは日本人研究者が発見し、高コレステロール血症の治療薬としてすでに臨床で広く使用されている薬ですので、通常の医薬品開発と比較すると、開発時間とコストをより低く抑えた新薬の創出に繋がる可能性があり、大いに期待されています。

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category : iPS細胞

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