iPS細胞の全自動選別装置を開発!再生医療の実用化に大きな一歩

iPS細胞による再生医療実用化のボトルネック

iPS細胞は、ヒトの皮膚などの細胞に特定の遺伝子を導入することにより初期化した細胞で、これを適切に誘導することで、ヒトの細胞や組織、臓器など様々な部位の再生が可能となる万能細胞です。

iPS細胞は無限に増やすことができるのですが、培養する過程で数%程度の不良な細胞が出てきてしまいます。もしそれを、そのままヒトに移植すれば、がん化の原因ともなるため、現在は技術者が手作業で一つ一つ取り除いています。

選別が人の手作業によるため、どうしても品質にばらつきが出てしまう上に、高品質なiPS細胞の培養には年間で億単位の費用がかかってしまうことになり、このことがiPS細胞による再生医療実用化にとって、一つの大きなボトルネックとなっているのです。

優秀な技術者に匹敵する精度で1万個をたった30秒で選別!

今回、電機メーカー「シンフォニアテクノロジー」と近畿大、三重大などの研究グループにより、iPS細胞を培養する過程で出現する質の悪い細胞を”全自動で”見分けて取り除く装置が開発されました。

この装置は、顕微鏡と医療用の出力が弱い赤外線レーザー、不良細胞を判別するためのコンピュータを組み合わせたもので、薬品を使わずに赤外線レーザーで焼却して不良細胞を取り除くため安全性に優れ、しかも優秀な技術者に匹敵する精度でもって、1万個程度の細胞もたったの30秒で解析することが可能なのだとか。

今後は、この装置を15年度中にも近畿大、三重大以外の日本の大学医学部に持ち込んで共同研究を始め、17年度までには研究用途として発売する見通し。さらに将来的には大規模な培養器にこの品質管理装置を組み込んだ、”全自動iPS細胞培養システム”の整備を目指しているとのことです。

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category : iPS細胞

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