「人道的見地からの拡大治験」参加のための未承認薬リスト公開

がんなどの生命に重大な影響がある病気に苦しんでいて、現時点で有効な治療法のない患者が、一縷の望みを託して参加するのが、医薬品開発の最終段階で実施される治験です。

しかし、治験にはその目的となる疾患の病状やこれまで受けてきた治療、有している他の持病、年齢など、それぞれに厳格な参加条件が設定されており、治験に参加できるのは、ほんの一握りの患者に過ぎないと言っても過言ではありませんでした。

「人道的見地からの拡大治験」の導入

平成28年1月、厚生労働省は、治験の参加条件が理由で参加できなかったり、募集期間に間に合わなかったりした患者に対して、人道的な見地から一定の安全性が確認された治験に参加して、未承認薬を使えるようにする制度「人道的見地からの拡大治験日本版コンパッショネートユース)」を導入しました。

そして今回、この制度の導入に伴って、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」はそのホームページ上で、未承認の治験薬リスト、及び、治験届出者(製薬会社)の連絡先一覧リストの公開を開始しました。いずれもPDF形式のファイルでダウンロードすることができます。

人道的見地から実施される治験について | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

この未承認の治験薬リストには、製薬会社から報告のあった615件の治験情報が記されており、現在大きな期待が寄せられている分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などをはじめ、現時点でがんを対象とした治療薬は約200件を占めています。

この未承認の治療薬リストに基づいて、患者と主治医は製薬会社に拡大治験の実施を要望し、これを受けて、製薬会社が参加の是非を判断する仕組み。なお、製薬会社が拡大治験を実施しない判断をした場合、患者は主治医を通して厚労省に不服申し立てすることも可能なようです。

拡大治験への参加が叶った場合、薬代などの一部費用の負担を求められる可能性はあるものの、保険が適用される混合診療となり、治療による副作用などの健康被害の補償も、通常の治験と同様に企業が担うことになります。

上記ホームページ上で公開されている治験情報は、毎月末をメドに更新される予定です。

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+
このエントリーをはてなブックマークに追加

category : トピックス

このページの先頭へ