肥満者の食事療法として効果が高いのは低脂質食?低糖質食?

血糖値を上昇させる糖質を制限した”低糖質食”と、脂質を制限した”低脂質食”は、ともに減量を目的とした代表的な食事療法ですが、両者を比べた場合、肥満や脂質異常を改善し、心血管疾患のリスクを低減させる効果が高いのはどちらの食事療法なのでしょうか?

低脂質食 vs. 低糖質食

今回、アメリカの研究チームにより、心血管疾患や糖尿病、腎臓病のない肥満者148例を対象にして、12ヶ月間に渡って低糖質食を摂取する群と、低脂質食を摂取する群の2群に分け、両群の減量効果やコレステロール値などの心血管疾患の危険因子の改善効果が比較されました。その注目すべき結果は次の通りです。

12ヶ月後の両群における総コレステロール値と、LDLコレステロール値、いわゆる悪玉コレステロール値に有意な変化はありませんでしたが、次の全ての項目について、低脂質食群に比べて低糖質食群の方が、有意な改善効果が確認されました。

  • 体重の減少
  • 内臓脂肪の減少率
  • HDL(善玉)コレステロール値上昇
  • トリグリセライド(中性脂肪)値減少
  • C反応性蛋白値改善
  • 10年以内の冠動脈性心疾患発症リスク改善(※)

(※)心臓病の既往がない人を対象とした、今後10年以内の冠動脈疾患の発症予測である”フラミンガムリスクスコア”に基づくものです。

肥満者が制限すべきは脂質よりも糖質

特に、心血管疾患の危険因子としての脂質異常症を改善のための食事療法を考えた場合、コレステロールや中性脂肪のイメージから、とりあえず”脂っこいものを控えよう”と考える方は少なくないのではないでしょうか?

今回の研究成果は、少なくとも肥満者が減量や心血管疾患の危険因子を改善するための食事療法としては、脂質制限よりも糖質制限の方がより効果的である可能性が示されたと言えますね。

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category : 肥満症

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