非喫煙者や女性に多い肺腺がんの早期発見に期待!関連6遺伝子を特定

先日、国立がん研究センターにより公開された、2016年のがん統計予測によると、今年のがんによる死亡者数予測の第1位は肺がんです。

さらに男女別に見た場合、男性では第1位の55,200人、女性でも第2位の22,100人に及び、合計77,300人もの患者が、2016年度中に肺がんにより死亡すると予測されています。

喫煙習慣がなくても発症する非喫煙者や女性に多い肺がん

肺がんの最大の危険因子は喫煙ですが、実は一口に肺がんと言っても、喫煙の影響により発症するタイプの肺がんだけでなく、喫煙の影響は否定できないものの、喫煙以外の何らかの影響により発症すると考えられている肺がんも存在します。

この喫煙を原因としない肺がんの主たるものが” 肺腺がん ”と呼ばれるもので、非喫煙者や女性に多く見られ、特に、日本を含むアジアで発症率が高く、我が国における肺がん全体の6割を占めるとも言われています。

近年、増加傾向にあるにも関わらず、これまでの研究では喫煙以外の危険因子がわかっていないため、効果的な予防法のない肺がんとして大きな問題になっていました。

肺腺がんの発症リスクに関連する6つの遺伝子を特定

そんなやっかいな肺腺がんに関して、今回、国立がん研究センターなどの研究チームにより注目すべき報告がありました。それは、肺腺がんの発症しやすさを決めている6つの遺伝子を特定したというものです。

研究チームは、日本人の非喫煙者や女性に多い「EGFR」という遺伝子の変異による腺がんに注目し、このタイプのがん患者 3,173人、この遺伝子変異によらないがん患者 3,694人、さらにがんを発症していない15,158人の全遺伝情報を比較した結果、次の6つの遺伝子の中のわずかな違いが、がんの発症に関連していることがわかりました。

遺伝子 特徴
HLA-DPB1 免疫反応に関係する遺伝子
BTNL2 免疫反応に関係する遺伝子
TEAT テロメアの長さを調節する遺伝子
TP63 がん抑制に関与する遺伝子
BPTF クロマチン制御に関与する遺伝子
FOXP4 転写因子

この6つの遺伝子のうち、1つでも変異があった場合、肺腺がんの発症しやすさが1.19~1.42倍になり、遺伝子の変異が複数に及んだ場合、そのリスクはさらに高まることが確認されました。

肺腺がんの早期発見に繋がる可能性

肺腺がんは、肺の末梢部分に発生することが多く、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。その一方で、がんの進行のスピードが非常に早いことから、発見された時には既に他へ転移しているケースが多いというやっかいな特徴を有しています。

今回の研究成果は、そんな肺腺がんの発症リスクの高い人を遺伝子的に予測することで、高リスク者は、若い頃から積極的に検診を受けるなどして、早期発見に繋げることが可能であることを示すものです。

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category : がん治療・がん研究全般

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