老化細胞を除去して”肺の若返り”に成功!COPDの根治に期待

人間の体を構成する細胞は、紫外線や化学物質などの刺激でDNAが傷つき、老化が進むと増殖しなくなります。それでも身体の免疫機能が正常に働いているうちは、こうした老化細胞は順次取り除かれ、常に新しい細胞に置き換えられるので問題ありません。

ところが加齢などの原因により免疫機能が低下すると、このような老化細胞が取り除かれずに蓄積されるようになり、それがやがて周囲の正常細胞を傷つけて病気などを引き起こす原因になると考えられています。

実際、これまでの研究でも、この蓄積した老化細胞が様々な腎臓疾患や心疾患の原因となるという報告が寄せられていました。

その一方で、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていたCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、タバコなどの有害物質によるダメージを長年受け続けたこと、さらに加齢による心肺機能の低下がその主な要因とされてきたものの、老化細胞が肺の機能にどのように影響するのかはよくわかっていませんでした。

肺を若返らせることが可能になるかも

そして今回、国立長寿医療研究センターなどの研究チームは、加齢により増殖する能力を失ってしまった肺の老化細胞を取り除くことで、肺を” 若返らせる ”ことが可能であることをマウス実験で確認しました。

研究チームは、老化細胞を簡単に除去できるように遺伝子操作したマウスを作り、生後12ヶ月のマウスに対して、蓄積した老化細胞をほぼ完全に除去したところ、肺組織が弾力性を取り戻し、肺機能が回復していることを確認したのです。

COPDの根本的治療法の確立に期待

現時点で、このCOPDには根本的治療法は存在せず、できるだけ早期に治療を開始して、病気の進行を食い止めることに主眼が置かれています。つまり、一旦悪くなってしまった肺を元の健康的な肺に戻す手立てがないのが現状です。

今回の研究成果により、腎臓や心臓だけでなく、肺でも加齢による老化がCOPDなどの病気を起こしやすい状況を作っていることがわかったのみならず、蓄積した老化細胞を除去することで、老化した肺を若返らせる可能性を示したと言えますね。

今後、さらなる研究により、肺に蓄積した老化細胞だけを除去する方法が開発されれば、年間に16,000人もの患者が亡くなっているとされる、COPDの根本的治療法の確立に繋がると期待されています。

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category : 喫煙習慣・飲酒習慣

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