マグネシウムが血圧を下げる!高血圧治療の選択肢の一つにも

カルシウムが血圧を上げる?

カルシウムは骨や歯を丈夫にするために欠かせないミネラルですが、その一方で、筋肉や神経などの働きを正常に保つ重要な役割も果たしています。

例えば、体や心臓を動かすために必要な筋肉の収縮は、筋肉の中に存在するカルシウムイオンの濃度の変化によってコントロールされているのです。

ところが、カルシウムのこの作用が血管周囲の筋肉内で起こった時、筋肉の収縮にともなって血管も収縮することになります。血管が収縮すると、その中に流れる血液の通り道が狭くなるわけですから、結果的に血圧を押し上げることになります。

マグネシウムは天然のカルシウム拮抗薬

この時、カルシウムが血管の細胞に取り込まれるのを防いで、血圧を低く保つように働くのがマグネシウムです。

その作用は強力で、一般に「マグネシウムは天然のカルシウム拮抗薬」とも言われている程ですが、マグネシウムの降圧作用については、実はこれまでの研究では一貫した結果は得られていませんでした。

サプリメントによるマグネシウム補充が高血圧治療の選択肢の一つに

そして今回、米インディアナ大学の研究チームが、過去に実施された34のランダム化比較試験の結果を統合して解析したところ、サプリメントによるマグネシウムの補充が血圧を顕著に低下させ、高血圧治療の選択肢の一つにもなりうる可能性が示されました。

その具体的な分析結果は次の通り。

1日368mgのMgを3カ月間補充した場合に収縮期血圧(SBP)は2.00mmHg、拡張期血圧(DBP)は1.78mmHg低下した。Mg補充群はプラセボ群と比べ、血清Mg値が0.05mmol/L高かった。

つまり、サプリメントにより1日368mgのマグネシウムを3ヶ月間補充したグループは、そうでないグループと比較して、収縮期血圧(上の血圧)で 2.00mmHg、拡張期血圧(下の血圧)で 1.78mmHg低下することが確認されたのです。

また、サプリメント補充群は血液中のマグネシウム濃度が高く、これは血圧低下につながる血流改善にも関連していることを意味していると考えられます。

マグネシウムの慢性的摂取不足が深刻化しています

日本人の食事摂取基準における、1日のマグネシウム推奨量は、30~49歳男性で370mg、女性で290mgです。ところが、直近の国民健康・栄養調査(平成26年)によるマグネシウムの平均摂取量は、30~49歳男性で1日当たり231mg~244mg、女性で199mg~206mgとの結果が報告されています。

この状況は、推奨量のおよそ65%~70%程度しか摂っていないことになり、毎日平均して100mg前後ものマグネシウムが不足している計算になります。しかも、この傾向は年々深刻化しているのだとか。

我が国の高血圧患者が増加の一途をたどっているのには、食生活をはじめとする生活習慣の変化など様々な要因が考えられますが、このマグネシウムの慢性的摂取不足もその一つであると考えるべきだと言えますね。

マグネシウムの摂取状況を把握

今回の研究は、マグネシウムの補給にサプリメントが用いられましたが、実は、普段の食生活からマグネシウムの1日の推奨量を摂取することは、そう難しいことではないのだとか。

特に、高血圧症で治療中の人や血圧が高めな人は、この機会にご自身のマグネシウムの摂取状況を振り返ってみてはいかがでしょうか。

マグネシウムが豊富に含まれている食材には、納豆や味噌、きな粉などの大豆類、しらす干しやいわしの丸干し、するめ、干しエビなどの乾物、あさりやはまぐりなどの貝類、あおさやわかめ、ひじきなどの海藻類、アーモンドやカシューナッツ、ピーナッツなどのナッツ類などが挙げられます。

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category : 高血圧症

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