マンモグラフィー検査の「異常なし」に安心していませんか?

現在、我が国における乳がん検診は、40歳以上の女性を対象に、マンモグラフィーと呼ばれる乳房エックス線検査を2年に1回、問診と合わせた実施が推奨されています。

これは、乳がんが日本人女性に最も多いがんであり、40~50代に発症者が多いことに配慮した指針であるとされていますが、その一方で、マンモグラフィー検査には、次のような問題点も以前より指摘されていました。

そもそも乳房は、主に乳腺組織と脂肪組織からなり、マンモグラフィーでは乳腺組織が白く写し出されます。ところが、がんのしこりも乳腺同様に白く写るため、特に乳腺密度が高い乳房では、がんが乳腺に隠れて判別することが難しく、検査の有効性は大きく低下します。

しかも、日本人女性の半数以上が乳腺の密度が高く、マンモグラフィー検査だけでは異常を発見しにくいタイプなのだとか・・・

マンモグラフィーで判別困難な場合も「異常なし」が7割

そして今回、読売新聞が全国の主要な自治体にアンケートを実施した結果、回答が得られた約7割の自治体で、乳腺密度が高いなどの理由により、マンモグラフィーでは異常の有無の判別が困難であった場合でも、検査結果票には「異常なし」とのみ記載されている実態が明らかになりました。

というのも、自治体による乳がん検診では、「要精密検査」か「異常なし」のいずれかで結果を伝えるよう、国の指針で定められているからなのです。

しかし、これでは、単にマンモグラフィーでは判別できなかっただけで、乳がんを発症している可能性がある受診者に対して、異常がないと誤認させる恐れがあり、これでは乳がん検診の意味がないどころか、逆効果にもなりかねません。

もしも、自分がマンモグラフィーでは乳がんの発見が難しいタイプの乳房であることがわかれば、そのような乳房でも異常を発見することが可能な超音波検査(エコー検査)を併用するなどの対策を講じることができるわけですしね。

超音波検査併用で乳がん発見率が1.5倍高く

実際、昨年には、東北大の研究グループにより、40代の女性約7万6千人を対象とした大規模調査において、マンモグラフィーと超音波検査(エコー検査)を併用したところ、乳がん発見率が約1.5倍高くなったとの報告があり、当サイトでもこのトピックスを取り上げています。

マンモグラフィーに超音波検査併用で乳がん早期発見率1.5倍

高濃度乳腺の受診者への個別対応や超音波検査を実施している自治体も

もちろん、自治体独自の判断で、高濃度乳腺であるためにマンモグラフィー検査では異常の発見が難しい旨を、個別に文書や電話によって伝えたり、乳がん検診としてマンモグラフィーに加えて、超音波検査も隔年で実施している自治体もあります。

最後に、高濃度乳腺であるために異常の発見が難しい乳房である旨の通知を、現時点で個別に実施している9つの自治体と、隔年で超音波検査ができる9つの自治体をリストアップしておきます。

高濃度乳腺である旨の通知等を実施している9自治体

青森県 八戸市
埼玉県 川越市、所沢市
神奈川県 川崎市
山梨県 甲府市
長野県 長野市
大阪府 大阪市
兵庫県 姫路市
大分県 大分市

隔年で超音波検査ができる9自治体

茨城県 水戸市、つくば市
東京都 品川区、江戸川区
山梨県 甲府市
長野県 長野市、松本市
三重県 津市
宮崎県 宮崎市

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category : 乳がん

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