脳細胞に光刺激で”楽しい記憶”を再現し、うつ症状を改善

人為的にうつ状態にしたマウスの脳細胞に刺激を与え、過去の”楽しい記憶”を呼び覚ますことで、マウスのうつ症状を改善することに成功したと、ノーベル医学生理学賞受賞者で、理化学研究所の利根川進博士らの研究チームが発表しました。

これまでの研究で、脳内の特定の神経細胞群に光を当てると、記憶が蘇ることが分かっていました。そこで研究チームは、人為的にうつ状態にしたマウスの頭に光ファイバーを差し入れ、楽しい体験をした時に活発に働いていた神経細胞群に光を照射したところ、照射されている間に限り、通常のマウスと同じレベルにまで意欲や努力が戻り、うつ状態の明らかな改善が確認されたのです。

さらに、光の照射を1日に15分ずつ、5日間に渡って与えてやると、その翌日に行ったテストでは光の照射がなくても、うつ状態の改善が見られ、光の照射を継続的に行うことで、効果が長期間維持することもわかったのだとか。

うつ状態の間は楽しい記憶を楽しいものとして思い起こせなくなっている可能性があり、今回の実験は、(人工的な刺激によって)”楽しい記憶”を呼び起こすことが、症状の改善につながったことを示唆していると考えられています。

但し、現時点では、ヒトの楽しい記憶を細部まで再現するような神経細胞の活性化技術はまだ確立されていないので、残念ながらこれをすぐにヒトに応用することはできません。しかし、現在うつ病患者は、国内で約100万人にのぼるとも言われていますが、この研究成果はうつ病のメカニズムの解明や、将来の新しいうつ病の治療法開発に繋がると期待されています

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category : うつ病

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