腹囲がメタボ基準未満でも代謝異常などで脳卒中リスク2倍に

現行のメタボリックシンドローム診断基準は、腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上、かつ、高血圧、脂質異常、高血糖に関する下記の5つの項目のうち、いずれか2つ以上の項目に該当する場合と定められています。

1.高血圧
  • 最高血圧: 130mmHg以上
  • 最低血圧: 85mmHg以上
2.脂質異常
  • 中性脂肪: 150mg/dl以上
  • HDL(善玉)コレステロール: 40mg/dl未満
3.高血糖
  • 空腹時血糖: 110mg/dl以上

つまり、現行のメタボ健診においては、あくまで”腹囲”が前提とされており、腹囲が診断基準未満である場合は、メタボリック症候群には該当しません。

しかし、特に日本人には、たとえ太っていなくても代謝機能に異常が出る「隠れメタボ」に該当する人が多いとされており、実際、中高年4千人のデータを分析した厚労省の調査の結果、日本全国の隠れメタボ患者は 914万人に上ると推計されています。

腹囲が基準未満でもその他の危険因子一つでリスク倍増

そして今回、厚生労働省による約3万1千人の男女を対象に、8~12年の長期に渡る追跡調査の結果、たとえ腹囲が診断基準未満であっても、高血圧や脂質異常、高血糖などの危険因子が一つある人は、それらに問題がない人に比べて、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが男性で 1.91倍、女性で 2.12倍に高まっていることがわかったのです。

腹囲が診断基準以上の人の場合、上記の危険因子が一つある人の発症リスクは約2倍と、基準値未満の人のリスクとそれほど変わらなかったものの、やはり危険因子を二つ以上有している人の場合は、約3倍とリスクが跳ね上がっていたようです。

「自分は腹囲が診断基準未満でメタボじゃないから大丈夫!」そう考えている方も少なくないのではないでしょうか。もちろん腹囲は内臓脂肪の蓄積と関連しているので、その点では決して間違いではないのかもしれません。

しかし、少なくとも脳卒中や心筋梗塞の発症リスクという点から考えた場合は、腹囲同様に・・・いや、それ以上に、高血圧や脂質異常、高血糖などの危険因子の方を重視する必要があることを、今回の調査結果は示していると言えます。

その意味で、上記のような変な安心感を抱かせてしまう現行のメタボ健診には、何らかの見直しを加える必要があるのかも知れませんね。厚生労働省ではこの結果を受け、2018年度のメタボ健診の指針見直しに向け、具体策が話し合われるようです。

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category : 肥満症

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