糖尿病薬メトホルミンが大腸ポリープの再発を約4割も抑制

「大腸がんの芽」とも呼ばれる大腸ポリープは、がんへと進行する前に切除することで、大腸がんの発症を未然に防ぐことができます。但し、大腸ポリープは切除後も再発する可能性が高く、発症経験のある人は定期的に内視鏡検査を受けるなど厳重なフォローアップが必要となります。

これまでの研究により、頭痛や生理痛などの鎮痛薬として知られているアスピリンに大腸がんの予防効果がある可能性が示されていました。2015年10月には、国内で7,000人規模の臨床研究がスタートし、当サイトでもそのトピックスを取り上げたことがあります。

アスピリンで大腸がん予防!7000人の大規模な臨床試験を開始

但し、この記事の最後でも触れているように、アスピリンには胃腸障害や消化管出血などの副作用が知られており、現時点では未だ大腸がんの予防策としては確立していませんでした。

糖尿病薬メトホルミンを服用している患者に大腸がんが少ないことに着目

そんな中、横浜市立大の研究チームは、糖尿病の治療薬として広く使用されている” メトホルミン ”に、大腸ポリープの再発リスクを防ぐ効果があることを突き止めたのです。

研究チームは、同じ糖尿病患者の中でも、このメトホルミンを服用している患者に大腸がんの発症が少ないことに着目。まずは動物実験で大腸がんを抑える作用があることを確認した上で、大腸ポリープを切除した患者 151人を対象に、メトホルミンの大腸ポリープの再発抑制効果を確認しました。

注目すべきその研究結果は次の通りです。

その結果、メトホルミンを毎日服用したグループでは、切除後1年間のポリープの再発率が32%と、服用しなかったグループの52%を下回った。

つまり、1年後の大腸ポリープ再発率が、メトホルミンを服用したグループは約4割も少なかったという結果が得られたのです。さらに、もともとメトホルミンは副作用が少ない薬剤で、今回の研究でも重い副作用は確認されませんでした。

まだ、大腸がんそのもののに対する予防効果については、さらなる検証が必要ではありますが、少なくとも糖尿病治療薬メトホルミンは副作用が少なく、安価であるという点から見れば、大腸がんの予防薬候補として必要な条件を満たしていると言えます。

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category : がん治療・がん研究全般

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