糖尿病薬「メトホルミン」でビタミンB12欠乏に!貧血の原因にも

当サイトでは、少し前に、糖尿病の治療薬として広く使用されている” メトホルミン “に、「大腸がんの芽」とも呼ばれている大腸ポリープの再発リスクを抑制する効果が確認されたという報告を取り上げました。

糖尿病薬メトホルミンが大腸ポリープの再発を約4割も抑制

このトピックスの概要は、大腸ポリープを切除した患者の1年後の再発率が、糖尿病治療のためにメトホルミンを服用していた人は、そうでない人と比べて約4割も少なかったというものでした。

メトホルミンにビタミンB12欠乏の副作用?

ところが今回、米国の研究グループにより、このメトホルミン “の使用が、貧血などの原因となるビタミンB12の欠乏と関連している可能性が示されたのです。

米国内の27施設が参加した、糖尿病患者や肥満症患者など約2千人を、メトホルミン使用群とプラセボ(偽薬)群にランダムに割り付け、メトホルミンの使用とビタミンB12欠乏や貧血などとの関連について、13年(※)に渡って追跡した大規模調査の結果は次の通りです。

(※)血清ビタミンB12の測定を5年目と13年目に実施

5年目の測定におけるビタミンB12欠乏(203pg/mL以下)の頻度はプラセボ群の2.3%に対し、メトホルミン群では4.3%と有意に高かった(P=0.02)。一方、13年目の測定では有意差はなかった(5.4%対7.4%、P=0.12)。境界域(298pg/mL以下)まで含めた場合には、ビタミンB12低値の頻度は5年目、13年目ともメトホルミン群が高かった。

つまり、血清ビタミンB12濃度が” 欠乏レベル “である 203pg/mL以下だった人の割合は、13年目の測定での有意差こそ認められなかったものの、5年目の測定ではプラセボ(偽薬)群の2.3%に対して、メトホルミン群は約2倍の4.3%に達していたこと。

さらに、血清ビタミンB12濃度を低値との境界域である 298pg/mL以下まで含めた場合には、5年目、13年目ともにメトホルミン群で顕著に高く、しかも、メトホルミンの使用年数が長いほど、ビタミンB12の欠乏リスクが上昇していることがわかりました。

また、血中のビタミンB12濃度が低くなると、貧血や手足のしびれや痛みをともなう末梢神経障害などが欠乏症として表れます。やはり今回の研究でも、メトホルミン群で貧血や末梢神経障害の有病率が高かったようです。

メトホルミンの服用に注意すべき人は?

これまでメトホルミンは、安価で副作用が少ない薬剤として、現在広く使用されていますが、今回の研究成果を受けて、少なくとも日頃から貧血症状が気になっている人などは注意した方が良いかも知れませんね。

特に、動物性の食品をほとんど摂らない厳格な菜食主義者や、ビタミンB12の吸収が難しくなる胃切除などの術後は、それだけでもビタミンB12の欠乏リスクが高くなるので、メトホルミンの服用は避けた方が良さそうです。

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category : 副作用

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