「軽いタバコ」ほど発がん性高く…フィルターの穴が肺腺がんの原因に

先日、歌舞伎俳優の中村獅童さんが、初期のがんであることを発表したことで、現在大きな注目を集めている” 肺腺がん ”に関する最新のトピックスです。

一般的な肺がんの最大の危険因子は喫煙ですが、肺がんの一種であるこの肺腺がんは、肺がんの中でも喫煙の影響が少ないと考えられてきました。実際、非喫煙者や女性に多く見られ、我が国における肺がん全体の6割を占めるとも言われています。

しかも近年は増加傾向にあり、禁煙により発症リスクを引き下げることのできる肺がんに対して、肺腺がんは効果的な予防法のない肺がんとして大きな問題となっていました。

ところが今回、米オハイオ州立大の研究チームにより、そんな肺腺がんに対して、煙の中のタールの含有量が少ない、いわゆる「軽いたばこ」が、その増加の要因の一つになっているとの研究成果が発表されました。

たばこのパッケージに表示されているニコチンやタールの量は、たばこの葉に含まれている量ではなく、たばこのフィルターに開いた複数の小さな穴によって調整されています。

つまり、いわゆる「軽いたばこ」は、フィルターにより多くの穴を開け、吸い込む空気の量を増やすことで、煙の中に含まれるニコチンやタールを薄めているに過ぎないのです。

研究チームは、このフィルターに開いた穴により、たばこの葉の燃え方が変わり、より多くの発がん性物質や突然変異誘発物質、その他の有毒物質が発生しているとし、このことが近年に見られる肺腺がん増加の原因になっている可能性を指摘しています。

以前より「軽いたばこ」の弊害として、たとえ煙に含まれるタールなどの有害物質の量が少ないタバコを吸っていても、より高いニコチン効果を得ようと肺の奥深くまで煙を吸い込んでしまうことが、逆に喫煙の害を高めるとの指摘もありました。

肺腺がんは多くの場合、肺の奥深くで発生することを考えると、それによる影響も少なからずあると考えられますし、その上、今回の研究成果が示す通り、「軽いたばこ」ほど、より多くの発がん性物質などの有毒物質が発生しているとすれば、非常に恐ろしいことだと感じました。

たばこメーカーは約50年前からフィルターに穴を開けたたばこを、「軽いたばこ」「害の少ないたばこ」とアピールして販売してきました。

また、現在販売されているほとんど全てのたばこのフィルターには穴が開いています。研究チームは今回の研究成果を受け、米規制当局に対して、フィルターに穴の開いたたばこの販売を禁止するよう求めています。

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category : 喫煙習慣・飲酒習慣

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