多発性硬化症、ビタミンD欠乏で発症リスク2倍

多発性硬化症は、厚生労働省が指定する「特定疾患」の一つで、脳や脊髄、視神経などに病巣ができ、身体の震えや不明瞭な発語、視界のぼやけ、極度の疲労、記憶障害、まひなどの様々な神経症状が再発と寛解を繰り返す難病です。

これまでの研究で、この多発性硬化症が血中のビタミンD量と関連している可能性については指摘されていました。しかし、ビタミンDの欠乏が多発性硬化症の原因となるかについては確認されておらず、単に多発性硬化症の患者が、ビタミンDの生成を促す太陽光を浴びる機会が少ないということを示すにとどまっていたのだとか。

ビタミンD欠乏で発症リスク2倍

今回、カナダのマギル大学の研究チームは、多発性硬化症の患者 1万4498人と健康な人2万4091人のデータを照合し、ビタミンDの遺伝的な欠乏と多発性硬化症の発症率との関連性を分析したところ、遺伝的に血中のビタミンD量が欠乏している人は、そうでない人に比べて多発性硬化症の発症リスクが2倍になっていることが判明しました。

多発性硬化症の発症のピークは30歳頃とされており、約80%が50歳まで発症すると言われています。まだ発症していない子どもの頃から、十分なビタミンDを摂取し、ビタミンD欠乏に陥らないようにすることで、多発性硬化症の発症リスクを低減できるのかまではまだわかっていませんが、現在、この点を検証するための臨床試験が実施されているのだとか。

多発性硬化症の日本での有病率は、10万人あたり8~9人で、以前に比べると増加傾向にあるようです。今回の研究成果が、多発性硬化症の治療と予防に繋がる可能性があると期待されています。

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category : その他の脳疾患

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