Muse細胞(ミューズ細胞)移植で脳梗塞マウスの神経機能回復

今回、東北大学の研究チームは、ヒトの皮膚細胞から採取した多能性幹細胞である ”Muse細胞ミューズ細胞)” を、脳梗塞状態にしたラットに移植することにより、失われた神経機能を回復することに成功しました。

このラットの脳を詳しく調べた結果、移植したMuse細胞が脳の梗塞部位に生着した後、自発的に神経細胞に分化し、脳から脊髄までの神経回路を再構築していることが分かりました。

さらに、脳梗塞によって失われた運動・知覚機能の回復は、移植の約3ヶ月後も維持されており、がん化も認められないことを確認できたのだとか。

そもそも「Muse細胞」ってなぁに?

Muse細胞(ミューズ細胞)とは、東北大学の研究チームにより発見された多能性生体幹細胞です。皮膚や骨髄、脂肪組織などに存在しており、今回の研究で確認された神経細胞だけでなく、肝細胞や筋肉、血管など身体の様々な組織に分化する能力と一定の増殖能力を併せ持つ幹細胞です。

Muse細胞は身体にもともと存在する細胞で、iPS細胞のように、その作製に外部から遺伝子を導入する必要がないため、がん化の危険性が極めて低いのが大きなメリットだと言えます。

また、今回の研究では、移植に供されたMuse細胞は、移植前に神経に分化誘導する必要もなかったのだとか。脳梗塞患者に対して、本人の皮膚や骨髄などからMuse細胞を採取し、これをそのまま脳の梗塞部位に移植することによって、失われた機能を回復するという治療が実現する可能性があります。

研究チームによると、2018年度にも脳梗塞患者を対象とした臨床試験を開始する予定なのだそうです。今後の研究に期待しましょう。

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category : その他の再生医療

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